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月1回、地元住民と手作りご飯を囲むひととき

地域の子どもたちが集まりにぎやかに食事。手作りのご飯を地元住民と囲める〝食堂〟が、月に1回嵐山で開かれています。発案したのは、子どもを同じ幼稚園に通わせるお父さんたち。力を合わせ、ご飯作りを行っていますよ。

「スプーンじゃなくてお箸で食べられるよ」「そぼろが甘くておいしい」。食事中も会話が弾みます

「スプーンじゃなくてお箸で食べられるよ」「そぼろが甘くておいしい」。食事中も会話が弾みます

だしのいい香りが漂っていたのは「嵐山寮ひろさわ コミュニティカフェそわか」。台所ではご飯の準備の真っ最中。午前11時のオープン前に集まった子どもたちは、画用紙に「3色そぼろ丼」「みそ汁」とメニューを書き出しています。

「今日で7回目の開催です。ボランティアの人も手伝ってくれたので、もうすぐ料理が完成しますよ」と話すのは、「嵐山こども食堂」の運営メンバーの一人、高畑高嗣さん。幼稚園の年長と小学4年生、2人の子どもを育てています。

「嵐山こども食堂」は嵯峨幼稚園のお父さんが集まる「おやじの会」の有志メンバーが中心となって開催。誰でも参加できる食事会です。午前11時~午後2時の間に食事ができ、時間内は出入り自由。お昼前になるとだんだんと親子連れが増えてきました。

「お待ちどうさま」と運ばれてきた丼に、子どもたちの目はキラキラ。「おいしそう」「これ何?」「インゲン豆! サラダみたいでおいしいよ」と盛り上がります。

「ここに来るのは2回目。前回友達になった子と会えて、娘もうれしそうです。今回は母も誘いました」と言うのは、親子3代で訪れていたお母さん。「チラシを見て気になっていたんです」とは、2歳の子を連れて初めて来訪したというお母さんです。

最後はデザートが登場。アイスクリームを挟んだもなかを、子どもたちは「溶けちゃう!」と素早く口へ。食べ終わると、みんなで集まり早速ゲームを開始。食事を通して仲も深まっているようです。

(右から)北村さん、岡田さん、高畑さん。「次回はおむすび、具だくさんのみそ汁を作ります。気軽に立ち寄ってください」

高畑さんたちが「嵐山こども食堂」を立ち上げたのは昨年11月のこと。

「もともと幼稚園のイベントで豚汁などを振る舞っていました。共働きの家の子どもの居場所をつくりたいと思っていたところ、全国で子ども食堂という取り組みがあると知って。メンバーと相談し、挑戦してみることになりました」と高畑さん。

始めると、通りがかりに立ち寄り食事をする高齢者や、「子育てが終わったので手伝いたい」というボランティアが増えていったそう。食材を提供してくれる協力店も出てきたといいます。「地域のサポートを受ける中で、子どもたちが地元の人と関われる場所にしたいと考えるようになり、今の形になりました」(高畑さん)

「いただいたシカ肉を使ったカレーは人気でしたね。みんな珍しがって食べてくれました」とは、率先して台所に立っていた岡田嘉浩さん。

陶芸家の北村寿正さんは配膳に動き回ります。料理を盛り付けた皿は北村さんの作品だとか。「午後にはこちらで陶芸教室もしています。みんなで集まってご飯を楽しむのは、子どもにとっていい経験になると思います」(北村さん)

「子どもだけでの来訪もOK。子育てに悩んでいる方も来てもらえたら。これからもおいしい料理を作っていきたいです」(高畑さん)

  • 日時 6月12日(日)午前11時~午後2時
  • 場所 嵐山寮ひろさわ コミュニティカフェそわか(京都市右京区嵯峨広沢南野町26-2)
  • 料金 大人500円、子ども200円
  • 問い合わせ 嵐山寮ひろさわ=TEL:075(871)3030

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