絵になるシーンに出合ったとき、スマートフォンでパシャッ。そして、そのままフェイスブックなどにアップ! そんな人も多いのでは。せっかくなら被写体の魅力が伝わる1枚を撮りたいもの。そのためのコツを写真のプロに聞きました。お出かけが多くなるこの季節、すてきな写真を残して思い出を増やしてみては。
カメラマン
松村シナさん
ふんわりとした、かわいらしい写真を得意とするカメラマン。雑誌や書籍で活躍中
「スマートフォン撮影でまず気を付けたいのは、シャッターを指で押すときの手ブレ」と松村シナさん。「できるだけ両手で、しっかり持つことが基本です」
松村さんが撮影した写真を見ると、どれも明るくてふんわりした仕上がりに。なにかワザがあるのですか?
「カメラが取り込む光の量、つまり“露出”を変えています。プラスにすると白っぽく淡い雰囲気になるんです」。逆にマイナスにすると色が濃くなって、重厚感がでるそう。撮りたい写真のイメージによって変えてみるといいですね。※種類によって機能に違いがあります
すべてを入れない!というのがポイントです。メインの肉料理を中心に撮影。横から光が入る場所を選び、照明を消して、自然光だけに
「横からやわらかく自然光が入る場所が、料理をきれいに撮れるポジションです」と松村さん。照明が料理に当たると、料理の色が変わってしまうので注意を。家で撮影する場合は、電気を消して撮影するとよいとのことです。
料理が何皿か並んでいるときは、全部写したい!という気持ちになりますが、そこは潔く。「すべて入れると、説明っぽい、面白みのない写真に。メインに写したいものを中心に置いて、ほかのおかずが少しカットされているくらいのほうがかわいらしい写真になりますよ」
「誰かと一緒に食事をしているなら、対面に座っている人の胸のあたりまで入れてみて。このときピントは相手の料理に。箸で料理を取ろうとするなど、動きをつけると、より臨場感が伝わります」
撮影協力/cafeろじうさぎ
ジャンケンに勝った瞬間。連続で何枚もとったうちの一枚です。子どもの進行方向に空間をあけています
松村さんによると、シャッタースピードといった細かな設定ができないスマートフォンもあるので動き回る子どもを撮るのは難しいそう。
「おもちゃで遊んだり、じゃんけんをしたり。子どもが何かに集中しているときなら、撮影がしやすいですよ。連続撮影ができれば、自然な表情をキャッチできる可能性がアップします。構図で気を付けるのは、風景と同じく三分割法を意識すること。このとき、子どもの顏の向いている方向に空間をつくると明るい印象に」
花や石を手のひらに乗せるとかわいく撮れます。「視線を被写体に集中させるために、写真の四隅はあけておきましょう」
撮影協力/前川安澄さん、優妃さん、楓果さん親子
地面を1/3程度にした三分割法。スネくらいの低い位置から撮る〝猫目線〟で四条大橋と鴨川を撮影
風景写真の撮影時に気を付けたいのは〝縦と横〟。「風景を撮ると、建物や地面のラインが入ります。それが斜めになっていると不安定な印象になるので線状のものは、まっすぐ写るようにしましょう」と松村さん。構図では三分割法といって、写真の縦と横に、それぞれ三等分の線をイメージして地面や空の配分を決めたり、交点のいずれかに被写体を置くとバランスが整うそう。