独立して新たに書店を開いたり、移転して店名も変えて新スタートを切ったり、はたまた10年ぶりに復活したり。昨年、何かと話題が豊富だった京都の書店事情。それぞれ特徴のある雰囲気や品ぞろえで楽しませてくれています。
1階で新刊と雑貨を、2階の一室で古本と雑貨を扱う「ホホホ座」。1階の店主は、白川通、石の壁から飛び出た車が目印だった「ガケ書房」の山下賢二さん。もともと2階で「コトバヨネット」という古本と雑貨の店を営んでいた松本伸哉さんが、1階が空いていたことから山下さんを誘い、昨年4月にオープンしました。
「何か新しいことができそうとガケ書房の名も捨ててイメチェンです」と山下さん。ホホホ座は書店だけではなく、本や雑貨などの企画も手がける編集企画グループ。ゆくゆくはオリジナル商品を増やしていきたいそう。
河原町丸太町からすぐ。細い通りにある「誠光社」という小さな書店。営むのは、一乗寺の「恵文社」で昨年8月まで店長をしていた堀部篤史さんです。退社後の11月、この店を始めました。
「内容や装丁も含めて、編集する人や出版社のメッセージを感じる本を置いています。〝検索〟と違って、本は知ろうとしなくても目に入ります。書店に入るだけで、いろんな発見がありますよ」
あらためて棚を見ると、カバーやタイトルにひかれて、つい手に取ってみたくなる、そんな本が並んでいます。
昨年8月にオープンした「丸善 京都本店」。〝丸善〟といえば、京都では明治時代に開店し、梶井基次郎の短編小説「檸檬」にも登場することで知られています。このたび、2005年の閉店から10年ぶりの京都再登場となりました。およそ100万冊ある蔵書のうち、7万冊ほどは洋書。大学が多く、研究者が多い京都を考慮してのことだそう。
「ようやくまた丸善ができましたねと、言ってくださるお客さまもおられます。初めての方もぜひ来てください」(同店店長・西川仁さん)