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合唱を通じて伝えたいのは、城陽の歴史や文化

一昨年の9月、城陽市の20~30代の若者で結成された合唱団「コール J star way(ジェイスターウェイ)」。こちらの特徴は、地元・城陽に関する曲を中心に歌っていること。昨年6月の初舞台以降、活動の場を広げています。

集合写真を撮影となったときに、急きょ編み出された〝Jポーズ〟! 前列左から2人目が生駒さん

「『コール J star way』のJは城陽の頭文字から。あとは響きの良さで…」と、団長の生駒篤祥(あつよし)さんが話していると、すかさずメンバーから「〝星につづく道〟っていうような意味もあるんじゃない」とフォローが入ります。

西城陽高校合唱部のOBによって結成されたグループと聞いていた記者は、さすが長年の付き合いと感心したのですが、実はメンバー12人のうち半数以上は途中からの参加。観客として合唱を聞いたことや、団員に誘われたことをきっかけに入団したそう。

以前のステージの様子。舞台に上がるときの衣装は作務衣(さむえ)なのだそう。中央は、長池のゆるキャラ「ながぼん」と「ながりん」

現在の持ち歌は、皆で作った団歌のほか、城陽市長池地域のゆるキャラの紹介ソング、「島利兵衛の歌」の3曲です。

「島利兵衛の歌」は、「長池まちづくり協議会」会長である、生駒さんの父・一憲(かずのり)さんが作詞作曲をしたオリジナル。島利兵衛とは、江戸時代に南山城地域にサツマイモの栽培方法を広めたとされる人物で、「城陽に育った子なら、幼稚園のイモほりや小学校の授業の折に、その名前を教わります」。

歌詞には、「いもを買うなら寺田いも~」といったユーモラスなフレーズも。ステージで披露すると、観客からクスッと笑いがもれたり、後から子どもたちが口ずさんでいたりすることもあるのだとか。

3月6日(日)にはイベント「おこしやして長池へ」(表参照)に出演。「島利兵衛の歌」も聞けるとのことなので楽しみですね。

今後も城陽に関する曲を増やし、歌を通じて地元の歴史や文化を次世代に伝えていきたいと生駒さん。

「ゆくゆくは団主催の定期コンサートを開催できるくらいにレパートリーを増やしたい」との言葉通り、全5曲で構成される城陽の組曲を作り始めたばかりなのだとか。第1章は城陽の町の紹介、第2章は「島利兵衛の歌」と続き、その昔にはこの地域が京都と奈良を結ぶ宿場町として栄えた様子なども織り込みつつ、第5章で未来を感じさせる内容に仕上げようと構想を膨らませています。現在、手がけている第5章は3月6日のイベントで初披露の予定。

「人数が増えれば、歌える曲の幅がさらに広がるので」と、男女や年齢問わず団員は随時募集中。練習は月に2回、火曜日の午後7時~9時に城陽市役所そばの「福祉センター」で行われます。詳しくは、平日の午後6時以降に生駒さん=携帯電話:090(9879)5522=へ。

「島利兵衛の歌」/作詞 生駒一憲

おこしやして長池へ
おこしやして長池へ

さつまいもさつまいも
さつまいもづくりはこの長池から広まった

とんと昔のことやけど 島利兵衛さんという人が
ご禁制の薬草を育てた罪で 島流しにならはった

島から帰った利兵衛さん 荒れ地を畑に開墾(かいこん)し
畝(うね)をつくってなんやら知らんが
大事そうに植えはった

畝から芽がでて蔓(つる)が伸び 畑一面に広がって
秋になって畝を掘ったら いもがどっさりとれたとさ

利兵衛さんはいもの育て方 お百姓さんに教えはり
さつまいもづくりはこの長池から 辺りの村に広まった

そののち飢饉が訪れて こめの不足が続いたが
利兵衛さんの伝えたさつまいものおかげで
多くの命が救われた

山城名物数あれど 味で名高い寺田いも
利兵衛さんの伝えたさつまいもづくりは
平成の今でも続いている

いもを買うなら寺田いも みんなで食べようさつまいも

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