「自分たちのまちがさらにすてきになればな」「知られざる魅力を発信したい」。そう思っても、具体的にどうすればいいのか分からないかもしれませんね。伏見区深草で、そんな思いを持った人々が共に学び、アイデアを形にできる「深○(まる)ねっと」が立ち上げられたと聞き、取材しました。
「深○ねっと」とは、「深草まるごとつながりネットワーク」の通称。「深草のまちをまるごと捉え、つながりあって、行動していく人たちのネットワークが深まること」を意味しているのだとか。
「これは『まちづくり』をテーマにした“出会いと学びの場”です。まちづくりに関心をお持ちの地域の方々や、すでに活動をしているNPO法人のメンバーなどが集まって、活発な議論をしてもらいたいと考えています」と話してくれたのは、京都市伏見区役所深草支所 地域力推進室の田中ひづるさん。
テーマに興味があれば、深草地域の住民でなくても参加できるそう。
1つのメインテーマを決めて、それについての集まりが4~5回、開かれます。「深○ねっと」のスタートを飾るのは、「テーマ01 深草のみどり」。「Ⅰ・地域の資源をいかに魅せる?」「Ⅱ・深草を歩いてみよう ~フィールドワーク」「Ⅲ・深草で何ができそう? ~未来型ワークショップ」の3段階に分けて、進められます。
内容は毎回完結、オープニングに前回の振り返りが入るので随時参加OK。興味がある回だけの飛び入り参加も歓迎とのことです。
取材の日のテーマは、「Ⅰ・地域の資源をいかに魅せる?」。会場には30人近い人が集まりました。
ゲストは、「京エコロジーセンター」の遠藤修作さん、「LactPren(ラクトプレン)」という大学サークルで農業に携わっている弘田真基さん、「京都市まちづくりアドバイザー」の亀村佳都(かず)さん。3人がステージで、それぞれの活動事例を紹介、続いてトークセッションとグループディスカッションへと進められました。
その後、参加者は自分の興味ある活動内容を話したゲストのもとで長テーブルを囲み、お茶を飲みながら、リラックスした雰囲気で意見や感想を述べました。
例えば、地元の大岩山の清掃活動で、ゴミだらけだった山が展望台を設置されるまでになったと話す亀村さんのテーブルに集まったのは8人。「高齢者も歩きやすいので、もっとたくさんの人に訪れてほしいね」「そのためにはどうしたらいいかな」と話すなど、情報を得るとともに、新しい課題の発見もあったようです。
今後は、こうした話し合いなどで出てきたさまざまな意見からメインテーマが決まっていくそう。
「今のものとガラリと趣が変わって、子育てや健康寿命がテーマになるかもしれません。いずれにせよ住民が主体となるまちづくりの活動のネットワークができることが目的です」(田中さん)
次回の開催は10月20日(火)、第2回~4回はフィールドワークへ。今回のゲストの亀村さんが取り組む「大岩山一斉清掃ウォーク」の活動に合流したり、遠藤さんのガイドによる伏見稲荷大社付近の散策などが用意されています。
深草地域の魅力をあらためて発見できる学びの機会がたっぷりの取り組み。一度参加してみては。
●伏見区役所深草支所 地域力推進室=伏見区深草向畑町93-1、TEL:075(642)3203