「図書館や書店が少ない伏見周辺で、本に触れられる場所がもっとあれば」。―そんな声から生まれた「ブックマーク伏見」。7月には、その取り組みの核となる図書スペースが「伏見いきいき市民活動センター」2階にオープン。先日開催された「第2回公開ミーティング」では、本にまつわるイベントの企画などが話し合われました。
ブックマークとは、しおりのこと。ネット上でお気に入りのページを見つけやすくする機能も、そう呼ばれます。
「ブックマーク伏見」の名称には、本をきっかけに、伏見で〝お気に入り〟を探してほしいとの思いがこめられています。
地元の学生などによって構成される企画チームがまず手がけたのは、図書スペース「本の部屋」づくり。こちらで目をひくのが、「○○さんの本バコ」のコーナーです。
約30cm四方のボックス型の本箱が10個ほど並び、各ボックスごとに「つながりが人生を楽しくする本バコ」「本を持て 街へ出よう」といったポップが置かれています。
それぞれのボックスに入っているのは、伏見の商店街の店主など各分野で活躍する人が推薦する本。
「ポップには推薦者の顔写真や肩書きも記しています。本のチョイスから、その人をより深く知ることもあるでしょう。ふだん読まないジャンルの一冊と出合えたり、逆に自分が好きな本を選んだ人に対して、興味が増すことがあるかもしれません。学びを深めるきっかけになれば」と、同センターの副センター長で企画チームを統括する田中友悟(ゆうご)さんは話します。
今後の活動は、月に1回開かれるミーティングで検討されます。
取材時のミーティングには10人が参加。第1回で集まったアイデアを全員で共有し、「具体的なイベントを企画してみよう」とのテーマで話し合いが始まりました。
当初はじっくり考えながらの発言が多かったのですが、途中、ある参加者の「おふろで本を読みたい人、いるんですよね」との一言から、自由な意見が飛び交うように。「銭湯でイベントできないかな?」「脱衣所に本を置く?」と、盛り上がりました。
この日、初参加という芦田智子さんも、「思っていた以上に皆さんの話し合いが活発で。意外なアイデアも拾われて、形になりそうなのが楽しいです」とニッコリ。
このほかにも、「伏見の日本酒をテーマにした本を読んで、見学、飲み比べをしては」といった意見が出ており、次回はこれらのイベントの実現に向けた話し合いがさらに重ねられる予定です。
現在、活動内容の最新情報はフェイスブックなどで随時発信中だそう。
9月12日(土)午後2時〜4時には、初のイベントとして「ビブリオバトル」が開催されるほか、「第3回公開ミーティング」も9月26日(土)に行われます。いずれも参加無料、申し込み不要。企画チームメンバーも随時募集中。問い合わせは「伏見いきいき市民活動センター」=TEL:075(646)4274=へ。
●ブックマーク伏見=伏見区深草加賀屋敷6-2 京都市伏見いきいき市民活動センター2階(近鉄「伏見」駅・地下鉄「竹田」駅よりそれぞれ徒歩10分)
※「本の部屋」は原則として土日の午後1時~5時に開放。地域外の人も利用可能です