「就寝中は、寝返りを打つなど何度も姿勢は変化。体の不調は、この寝返りの程度のほか、枕、マットレスといった寝具などの影響も考えられます。さまざまな要素が複雑に関わっているため、睡眠中の姿勢の良しあしは明確に定義しにくいんです」と白星さん。
「トラブルを軽減するには、姿勢だけにとらわれず、寝具選びや環境づくりにも気を付けて。例えば、最近は就寝中の動きに合わせて体にかかる負荷を分散し、さまざまな寝姿に対応できる高反発のマットレスが注目されています。寝返りが打ちやすいか、ベッドや布団のサイズを見直してみるのもいいですね」
起床時と就寝前のストレッチもおすすめと白星さんは話します。
「寝た状態で『ゆっくり背伸びをする』『両足を抱えて体を丸める』『体をごろごろ、ゆらゆら動かす』。筋肉の緊張をリセットしてから、活動モードやリラックスモードに切り替えていくことで、姿勢の維持・改善の効果も期待できます」
「背骨の首部分に位置する頸椎(けいつい)は、本来なら前方向に湾曲しています。ストレートネックとは、この頸椎がまっすぐになってしまうことをいいます」
その原因が、スマートフォンを操作するときの姿勢ということですか。
「パソコン作業から起こる場合もあります。いずれも操作しているうちに目が疲れ、焦点を合わせるため画面に接近。すると体は前傾して猫背になり、首を突き出すような格好に。この状態が長時間続くとストレートネックになりやすいんです」
首を支える筋肉が緊張・収縮することで、肩や首のコリを招き、頭につながる神経を圧迫して頭痛を招くケースもあるのだとか。
「さらに、スマートフォンの場合は肩が内側に傾く “巻き込み肩”にも注意。より負荷が大きくなってコリや痛みが拡大・増大したり、肩甲骨が外側に移動して体の前方を圧迫し、呼吸しづらくなったり、自律神経のトラブルにつながったりします」
予防するには、パソコンの場合なら、画面やキーボードを適切な距離に配置。椅子の高さを調整したり、クッションなどを使って、正しい姿勢を保ちやすい環境づくりも大切だそう。
「スマホを持つのではなく、好きな位置に固定できるホルダーも販売されています。機械に体を合わせず、自分に合わせて機械や環境を工夫するよう意識して」
教えてくれたのは
※②③は、背骨を
ひとつずつ動かすよう
意識しながら行う