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月に1度開催、京都の通りでスケッチ会

京都の通りで絵を描いている人々を見かけたら、「京の路地裏スケッチ会」の最中かもしれませんよ。毎月第3日曜日、通りを決めてスケッチを行う同会。四条通より南側の、木屋町通から西を順に描き始めています。

6月下旬に取材に訪れたのは、河原町通から一筋東に入った西木屋町通。午前10時に待ち合わせ場所へ行くと、20人が集まっていました。描きたいポイントを決めると、さっそくスケッチブックを取り出します。

「誰かが教えるわけではないので、皆さん自己流。いろんなタイプの人がいておもしろいです」と話すのは、アーティストで同会代表の貴志カスケさん。見てみると、ボールペンで描く人もいれば水彩絵の具を使う人もいるよう。いいアングルを探して、電柱の隙間をのぞいている人もいます。

ビルと町家が隣り合う場所など、人気のポイントには数人が集中することも。「メリハリをつけたいので、奥のビルは薄く色を塗ります」と布目さん(写真右)

「パリのセーヌ川付近のように、多くの人がスケッチしている風景を目指しています。観光客の目に留まり、京都は文化的な町だと思ってもらえたらうれしいです」と貴志さん(前列左から2人目)

通りの曲がり角を描いていたのは布目裕美子さん。「レンガ調の建物と町家が並んでいるのに注目しました。集まってスケッチしていると友達もできます」(布目さん)。同じポイントにいた山下伸祐(しんすけ)さんも「建物を題材にするのが好きなんです。お互いアドバイスし合うこともありますよ」と話します。

萩森照一さんは漬物店が正面に見える場所でスケッチ中。「友禅染の職人なのですが、風景を描くことは仕事の参考にもなりますね」。事前に西木屋町通を訪れ、どこを描こうか下見もしていたのだとか。

合評会でその日の成果を披露

(左から)自分の作品を持つ錦織由紀雄さん、今井美也子さん、舟木直彦さん、竹口さん。貴志さんからは「皆さん腕を上げてきてますね」との声も

合評会では「手前のベンチが目立ちすぎかな」「影も入れるといいかも」など、自由に話します

そして午後3時。完成した絵を見せ合う「合評会」が開かれる、元・立誠小学校に向かいました。集まったのは15人。この日描いた絵を一人ずつ発表していきます。

まず披露したのは星野高志郎さん。通りの一部に焦点を当てています。

「こうしたい、ああしたいと思っているうちに時間が過ぎちゃって」という星野さんに、「細かく描けていてすごい。私も見習わないと」と、ほかの参加者たち。

「弱く描きすぎたかしら」という竹口和さんの作品は、全体的に淡いトーンで描かれています。「やわらかい雰囲気ですてき」と好評でした。

「描かれているこの建物の奥に、ワインがおいしい店があるんです」「そのビル、昔はエレベーターがなくて上まで行くのに息切れしてたな」といった町についての情報も交わして、盛り上がります。

通りを描くことで見えてくるものとは

次回の開催予定 事前申し込み不要

  • 日程7/19(日)
  • 集合午前10時に京都髙島屋角
  • 問い合わせ
    貴志さん=TEL:090(2563)9139

事前申し込み・参加費不要 ※8月は活動なし
午後3時より合評会を開催(参加自由)。会場は当日確認を
当日午前7時30分、NHKのテレビ画面左上に表示される「京都南」の降水確率が50%以上の場合は7月26日(日)に延期

アートで京都を活性化させようと活動している市民団体「京都アートカウンシル」が、2013年9月に立ち上げた同会。きっかけとなったのは、今年3~5月にかけて開催された「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」でした。

イベントに向けて、町を描いた絵の展覧会を行おうと活動をスタート。河原町通から烏丸通までの東西、四条通から御池通までの南北を描き、今年4月に展覧会を終えました。5月の「PARASOPHIA」閉幕とともに活動も終了する予定でしたが…。

「参加者から『スケッチを続けたい』と要望を受け、再スタートを切りました」(貴志さん)

これからは通りを描き続けることをコンセプトにしていくのだとか。

「京都の町並みを記録して、町の変化を追っていきたいんです。5年、10年先に同じ通りを描いたときどう変わったのかを確かめる、それを繰り返していければ」(貴志さん)

今後、展覧会の開催も検討しているそうですよ。

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