プレーンハープという楽器を知っていますか。歴史は古く、紀元前にはその原型となる楽器が存在したのだとか。このプレーンハープを演奏するグループが宇治で活動していると聞き、週に1度の練習日に取材に行ってきました。
練習場所はメンバーの一人、佐々木洋実さんの自宅。ここに毎週月曜日に集合します。
さて、このグループ。名前がちょっと変わっているんです。「KITASAKOりん」。この名の由来を聞くと、メンバー4人の名前から取っているとのこと。北川喜美子さん、佐々木さん、小中弘美さん、そして林由美さん。最後の“りん”は林さんの音読みなんですね。
4人が活動を始めたのは昨年の秋。個々にプレーンハープを演奏していた4人が11月、一緒のステージに立つ機会があったのだとか。
「そのときの演奏が、すごく良かった(笑)。なので、これからも一緒にやっていこうよとなって」と小中さん。その後は、週に1度の練習以外に、市が主催するコンサートに出演したり、高齢者施設や老人ホームでボランティアで演奏会を開くなどしています。春には初めての単独コンサートも行われました。
活動を始めて約半年。4人での演奏は、1人のときとはまた違う喜びがあるのだそう。
「1人だと旋律だけしか弾けませんが、4人だと音に幅が出るのがいいですね」と北川さん。林さんは、「音がピタッと合ったときも楽しいです」と話します。
そんな声を聞いていると、やはりその音色を体験したくなるもの。そう伝えると、クリーゲルの「メヌエット」「大きな古時計」の2曲を披露してくれることになりました。
「1、2、3…」という合図とともに演奏はスタートします。
演奏が始まる前にプレーンハープの魅力について聞いていたのですが、「きれいな音色で癒やされます。子どもに聞かせたら寝てしまう」という佐々木さんの言葉通り、その透き通った音色は気持ちを穏やかにさせてくれるよう。以前の演奏会のとき、来場者が「極楽のハスの上で聞くような音色」と評したこともあるそうですが、それにも納得です。
そして、演奏しているときの皆さんの表情がまた幸せそうで。
「プレーンハープは自分の方に音が出る仕組みなんです。なので、いい音色をキャッチしやすい。弾いている私たちも心地いいんです」と小中さん。
この心地よさは、メンバーの心のつながりからも生み出されているようです。
「4人とも、親の介護を経験するなど共通していることがあるんです。なので音楽以外でも話が合うし、共感できることも。プレーンハープを演奏することで楽しく過ごし、おしゃべりもして、リフレッシュしています」という林さんの言葉に、みなさんもにこやかにうなずきます。
夏のミニコンサート
入場無料
小中さんは、「私はずっと仕事をしていたこともあり、近所に知り合いもいないし、地域とのつながりがありませんでした。今こうして、みんなと出会って宇治の情報を教えてもらったり。地元で生活を楽しむ土台づくりができているのがうれしいです」。
今、メンバーは7月16日(木)に開く「夏のミニコンサート」の練習の真っ最中。「優しく語りかけるような音色」(小中さん)というプレーンハープの演奏を聞きに行きませんか。詳細は表参照。