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コケをめでる寺院散歩

寺院の庭などでよく見かけるコケ。今の時期は、木々の緑色とあいまって爽やかさが増しますね。そして、また違った趣を感じられるのが、緑が一層濃く見える雨の日。そんな日にコケ観賞に出かけるのもいいのでは。

建物内から見たり、庭で眺めたり/青蓮院門跡

入り母屋造りの宸殿の前は左近の桜、右近のタチバナが。その足元は一面のコケ

境内にいくつもの庭がある青蓮院門跡。京都市の天然記念物でもある大クスノキの木陰にコケが広がる宸殿(しんでん)前の庭や、青モミジとコケの“共演”を楽しめる小堀遠州作と伝わる「霧島の庭」などがおすすめポイントです。建物の中からゆったりと眺めた後は、庭を散策しながらコケを間近に感じるのもいいですね。

  • 東山区粟田口三条坊町69-1  TEL:075(561)2345
  • 午前9時~午後5時(4時30分受け付け終了)  大人500円、中高生400円、小学生200円
“洛巽(らくそん)の苔寺”という別名も/隨心院門跡

こけむした庭に面した本堂は桃山時代に建築されたもの ※庭に出ることはできません

小野小町ゆかりの寺院として知られる隨心院門跡は、コケの庭が美しく「洛巽(=都の東南)の苔寺」と呼ばれているそう。宸殿造りの本堂の前の庭のほか、境内に点在する中庭の地面にも青々としたコケが。参拝順路に沿って廊下を歩いているとき、庭にも目を向けてみて。

  • 山科区小野御霊町35  TEL:075(571)0025
  • 午前9時~午後4時30分受け付け終了  大人400円、中学生300円
山肌を覆う、一面の緑/常寂光寺

仁王門の先には庫裡(くり)や本堂へと続く階段が。深呼吸したくなるような緑の空間

小倉山のふもとにある常寂光寺の仁王門をくぐると目に入るのが、山肌を覆う一面のコケ。見上げると青モミジというすがすがしい空間です。緑が包む階段を中腹にある本堂(現在は工事中)のあたりまで進めば、今度は視界が開けて京都市内を見渡せる展望スポットも。こちらも爽やかな景色ですよ。

  • 右京区嵯峨小倉山小倉町3  TEL:075(861)0435
  • 午前9時〜午後5時 (4時30分受け付け終了)  大人400円、小学生200円
コケのじゅうたんには、わらべ地蔵/三千院門跡

986年建立の往生極楽院。コケの庭園のなかにひっそりと立っています
わらべ地蔵は25年ほど前にこの場所に。作:杉村孝 ※写真はいずれも三千院門跡提供

三千院門跡があるのは、大原の自然の中。宸殿から往生極楽院に通じる庭園・有清園には、スギやヒノキの木立の下にコケが生い茂り、緑のじゅうたんのよう。往生極楽院を過ぎた所には、コケの上に小さな「わらべ地蔵」が。手を合わせたり、寝転んでいたり。その柔らかな表情に心が穏やかになりそうです。

  • 左京区大原来迎院町540  TEL:075(744)2531
  • 午前9時(11月は8時30分)~午後5時30分(12月~2月は4時30分)
    ※受け付けはいずれも30分前まで
  • 大人 700円、中高校生 400円、小学生 150円

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