京都市では、30以上の植物が天然記念物に指定されているって知っていましたか? 今回は、常緑樹にスポットを当て、近場にある4本をピックアップ。それぞれの木から歴史と生命力を感じられそうです。
新熊野神社を訪れる際の目印にもなる、高さ21.9mの大きなクスノキ。東大路通からもその姿を見ることができます。
同神社の創建時、後白河法皇が紀州・熊野より移植させた「上皇手植えの樟」とされ、樹齢は約900年と推定。今もなお成長を続けていることから、健康長寿を願い、参拝する人が多いのだそう。
樹高11m、枝張りが南北11.5m、東西14mと大木のゴヨウマツは、宝泉院本堂の庭園でその存在感をはなっています。
客殿からは庭が額縁に入ったように観賞できる「額縁庭園」としても有名な「盤桓園(ばんかんえん)」 。3本に分かれた幹の太さや美しい曲線を、絵をめでる気分で眺めてみては。拝観料(800円/抹茶付き)要。
多くの社寺で植えられているオガタマノキですが、白峯神宮の一本は京都市内で最大。
根の部分から二手に分かれた幹が、真っすぐ、力強く伸びています。春には香りのよい白い花が咲き、その後、果実がなると秋には赤い種子が出てきますよ。
オガタマノキという名は、神や魂を招き寄せる「招霊(おぎたま)」がなまったとの一説からついたそう。
約200年前、天寧寺の本堂が火災に見舞われたときに幹の一部が傷ついたり、頂部に落雷での傷痕もあるなど、さまざまな災害を乗り越えてきたこちらのカヤ。
16mを超す大きさのカヤは京都市内においても珍しく、貴重なのだとか。下からのぞくと、左右に伸びる枝の動きも楽しめます。