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山科に、気軽に集える「シニアけんこう図書室」が開設

約3000冊の本に囲まれ、読書を楽しんだり、おしゃべりしたり。毎月第3日曜日、山科区で「シニアけんこう図書室」が開かれています。自宅の離れを開放しているスペースだけあって、わが家のようなくつろぎ感。お気に入りの本を手に過ごしてみませんか。

「シニアけんこう図書室」で、読書や会話を楽しむみなさん。「たくさんの人に読んでもらって、本も喜んでいると思います」(兵庫さん)

「いらっしゃい! お好きな場所でゆっくり過ごしてくださいね」。訪れた人を笑顔で迎えるのは、自宅の離れに「シニアけんこう図書室」を開設した兵庫一嘉さん。

図書室には、福祉、介護、法律などの専門書をはじめ、文芸雑誌のバックナンバーやミステリー小説などがズラリ。参加者は思い思いに書棚をチェックし、好みの本を手に取って座敷やダイニングへ向かいます。

行政書士の兵庫さんは、3年前からボランティアの電話相談員をしており、「一人暮らしの高齢者は、話し相手を求めて電話をかけてこられることが多いんです。この地域にも、人と触れ合う機会がなく、閉じこもりがちになったり、心細い思いを抱く人がいるかもしれない」と感じていたのだそう。

兵庫一嘉さん(右)と、図書室の開設や運営にも協力している角谷寛さん。この看板を目印に出かけて

日頃から近所を散歩し、高齢者への声かけを実践していた兵庫さん。「気軽に集える居場所も必要と思い、仕事や趣味を通じて収集した、“積ん読”“乱読”状態の本を活用しようと思いついたんです」

半年かけ、友人らと協力して本を移動・整理し、近隣に迷惑がかからないよう防音工事も実施。今年3月から図書室として開放しています。

「本を読んだら誰かに感想を話したくなったり、お気に入りを勧めたくなる。本が好きな人には、外出のきっかけになるのでは。本を通して、多くの人との出会いを楽しんでほしいですね」

世代を超えた交流や発表の場にも

兵庫さんの友人のミュージシャン・村田貢さんが、懐かしいメロディーの弾き語りを披露

取材時は、一人で来た人や友人連れ、20歳代から80歳代まで、約20人が来訪。メモを取りながら熱心に読書する人もいれば、初対面の人同士が自己紹介しあい、会話が盛り上がる光景も見られました。

また、この日は兵庫さんの友人によるギターの弾き語りも披露され、懐かしい曲では自然に歌声が。

「久しぶりに本をゆっくり読んで、歌って、気持ちが若返ったよう」「読書より、おしゃべりに夢中で」とみなさん、笑顔で話してくれました。

「若い人、市内全域からの参加も大歓迎! 今後は、開設時間や回数を増やし、世代を超えた交流や、朗読会、カラオケなども企画して有効活用していければ。互いに見守り、支え合うつながりが生まれ、優しさが〝こだま〟するように広がる地域の拠点にしていくことが目標です」

シニアけんこう図書室は毎月第3日曜日、午前10時〜午後3時に開設。参加無料。飲食自由。山科区御陵別所町110-1(御陵交番から東へ徒歩5分)。問い合わせは、兵庫さん=TEL:090(8702)7541=へ。

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