テーブルに大きな地図を広げ、にぎやかに話し合っているのは、「深草古絵図プロジェクト」のメンバー。2月23日(月)から開催するイベント「江戸時代の深草・藤森」の準備をしています。〝古絵図プロジェクト〟とはいったいどんな活動なのでしょう。
昨年4月から月に2回、深草暮らしの交流サロン「ふかふか家」に集まり、ミーティングをするなど活動をしている「深草古絵図プロジェクト」の皆さん。
「このプロジェクトの目的は、古い絵図や地図を読み解くことによって、地域の昔の様子を知り、伝えていくこと」と話すのは、同プロジェクトの代表・杉田鈴子さん。
メンバーは男性を含む、深草・藤森地域に住む8人。全員が歴史に詳しいわけではなく、活動を始めたきっかけはウオーキングだったそう。
「『歩こう会』を結成して地域を歩いてみると、長年住んだこの町は歴史があって、今もそれが残っていることに気付きました。そんなとき、会のみんなで行ったのが歴史資料館での古絵図の展示。『この道は今もあるね』『この街並みは残っているね』と話が弾みました」(杉田さん)
「歩こう会」のメンバーが中心となり結成された同プロジェクト。昨年8月には、第1回となるイベント「100年前の深草・藤森」を開催して地図や写真を展示。第2回では、専門家を招いた講演会を行ったり、龍谷大学や商店街のイベントで古絵図を展示したりと、精力的に活動しています。
「古絵図を見ると、今は草が生い茂っている場所も『古墳だったんだ』などと分かって、何げない景色にワクワクするようになりました」と、この活動の魅力を話すメンバーもいましたよ。
記者が訪れた1月下旬は、2月23日(月)から開催される「江戸時代の深草・藤森」の準備の真っ最中。同プロジェクト副代表の渋谷洋子さんが以前から収集していた古絵図(複製)をベースにして、メンバーが手分けして現在の様子を撮影したり、図書館で当時のことを調べたり。その結果を話し合っていました。
「江戸時代の参勤交代では、墨染から藤森神社の南鳥居の前を東へ進み、久宝寺町から谷口町を経て、山科・大津へと行っていたことが分かりました。家のすぐ近くの道を大名行列が通っていたなんて驚きです」と渋谷さん。江戸時代と現在の町の姿を重ねてみるとそんなことが分かるんですね。
今回のイベントは展示のほか、講演会なども開かれます(詳細は表を参照)。
「専門書を読むのは難しいけれど、地図を見て話すのは子どもから高齢者までみんなで気軽にできます。古絵図を見ながら過去や現在、そして未来を語り合いませんか」(杉田さん)