誰かが足りない
宮下奈都 双葉文庫・570円
レストランを訪れる客が抱える〝足りない何か〟とは?
予約を取ることすら難しいレストラン「ハライ」。たまたま同じ日、同じ時刻に「ハライ」を訪れた6組の客を描く小説です。
認知症の症状が出始めたことを認めたくない、自分の仕事や人生に納得がいかない…。事情はさまざまだが彼らはみな、「足りないもの」を抱えている。
おいしいものに出合うことがもしかしたら、足りない何かや足りないものを見つける手がかりになるかもしれない。
この物語のなかにある、「最後はせめて海に出られるだろうか」という言葉が、彼らのそんな心情を表しているようにも感じられます。
本屋大賞にもノミネートされた感動作です。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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