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春の便り、届きましたか

春近し。皆さんはどんなときにその訪れを感じますか? 立場が違うと視点も変わるため、春の到来を告げるものやタイミングもさまざま。さて、京都で活躍するこちらの6人に届く〝春の便り〟は━。

今年は、マンドリルの赤ちゃんが春の使者

「マンゴーが生まれたときと比べて、赤ちゃんは顔がちょっと赤いですね」(1月26日撮影/写真提供・京都市動物園)

【上】マンドリルは年に何度も発情するので、出産時期はさまざま。「寒い時期の出産になることを心配していましたが、無事に生まれてきてくれてうれしいです」※右がオネ。写真は1月19日(出産前)に撮影
【下】「マンゴーが生まれたときと比べて、赤ちゃんは顔がちょっと赤いですね」(1月26日撮影/写真提供・京都市動物園)

京都市動物園の飼育員 島田かなえさん

京都市動物園の島田かなえさんは、飼育員になって2年目。先月26日朝、いつものように担当するサル舎へ行くと、マンドリル(オナガザル科)のオネが、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしている姿を見つけました。

「妊娠を確認したのは昨年11月ごろ。マンドリルの妊娠期間は180日なので、赤ちゃんには少し早い春に会えると思って心待ちにしていました」。赤ちゃんが春を連れてきてくれたようですね。

現在、お父さんのベンケイは別室で生活。2匹の間にできた第1子のマンゴーとオネ、赤ちゃんが一緒の部屋で過ごしています。

「おっぱいも上手に飲ませていますし、心配せずに見ていられます」とのこと。

「今は、ずっとお母さんにくっついている赤ちゃん。暖かくなるころには、少しずつ離れて動きだすと思うと、春の到来が楽しみです」

そろそろ春の料理をと告げるフキノトウ

「リョウリヤ ステファン・パンテル」オーナー・シェフ ステファン・パンテルさん

「雪が残る地面にフキノトウの姿を見ると、寒い冬の中でもう春がスタンバイしているんだと驚かされます」

フランスで生まれ、フレンチの料理人として京都で14年を過ごしてきたステファン・パンテルさん。昨年、オーナー・シェフを務める「リョウリヤ ステファン・パンテル」を開業しました。

そんなステファンさんは、「フキノトウが出てくると、もう春なのかと気持ちがあせります(笑)」と話します。1月下旬のころですね。

「メニューは、季節を先取りして考えるもの。でも、クリスマス、年末年始はバタバタと忙しく、そのころはまだ春の料理に考えが及んでいないんです。フキノトウの顔を見ると、次の料理を考えなくてはと背中を押される気がしますね。同時に、春に向かう楽しさも感じます」

フランスでは、山菜や野草を食べることはあまりないそうですが、地元で収穫された食材にこだわるのがステファンさん。大原や静原などで採れたフキノトウを使って、香りを生かしたソースに仕上げることが多いのだとか。

「少し青い匂いがいい。日本に来てから、旬をいただく楽しさに目覚めました」

チューリップにワクワクドキドキ

チューリップを中心に、ユキヤナギやスイートピー、フリージアといった春の花たちが勢ぞろい。「花は、人を笑顔にしてくれる魅力があります」

池坊学園エクステンション講座担当 正村曉子さん

地下鉄「四条」駅の構内にあるガラス張りのショーケース。展示されているいけばなに、季節の彩りを感じる人も多いのでは? このコーナーでは、池坊学園エクステンション講座でいけばなを担当する講師5人の作品を展示していて、週1、2回入れ替えられています。

「一番春を感じさせてくれる大好きな花がチューリップ。年中出回ってはいても、この季節はひときわ美しさを増しています」と明るい笑顔の講師・正村曉子(さとこ)さん。

「スイートピーやフリージア、マーガレットなどやわらかなパステルカラーの花が多いのが春。幸せなイメージを抱きますね。春の花たちが出始めると、気持ちがワクワクしてきます」と、花を見つめながらにっこり。

それが、花器にいけはじめると表情が一転。「花を美しく生かすためには、決断力が必要。花と対話しながら『きれいね。今日の主役はあなたよ』って。花たちも私の気持ちに応えてくれるような気がします」

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