京都市右京ふれあい文化会館で、12月21日(日)に開かれるアマチュアたちのライブイベント「心に響く、おとなBAND SESSION2014―おっちゃんて言わんといて」。45歳以上のメンバーを含むことが参加条件です。大人たちが見せる“本気”の演奏とは?
ドラムの合図で演奏がスタート! 曲は1974年にリリースされた、「サディスティック・ミカ・バンド」の「タイムマシンにおねがい」です。
鳴り響くギターの音、ドラムとベースがつくる安定したリズム。真剣な表情ながらも、メンバーたちはなんとも楽しそう。
京都市内のスタジオで練習していたのは「KKS&Y」。ライブイベントの出演バンドの1つです。
「結成は2年前、飲み会の席で決まりました」と笑うのは、西京区に住む櫛田秀實さん(57歳)。
メンバーは高校の同級生だった“おやじ”4人と、その娘、息子の6人。何十年というブランクがあった人もいましたが、練習するうち昔の感覚が戻ってきたとのこと。
父親たちの姿を見て加入したのが、櫛田さんの息子・貴洋さん(23歳)。
「子どものときから父の影響を受けていたので、同年代よりもこのメンバーの方が音楽の趣味も合うんです」
今回のライブはインターネットでたまたま知ったそうで、「KKS&Y」の初ステージとなります。
「いつかライブハウスで演奏したいね、と言っていました。まさか初舞台が400人以上入るホールになるとは。練習は残すところあと2回ですが、本番も楽しんで演奏できればと思います」(櫛田さん)
ステージを企画したのは、京都市右京ふれあい文化会館の副館長・福川潤さん(45歳)。かつてのギター少年です。
「市民参加型の音楽イベントを考えていた5月ごろ、右京区内の催しで偶然、安田さんと知り合いました」
その安田さんとは、右京区内で昼は飲食店、夜はライブハウスを営んでいる安田圭吾さん(65歳)。福川さんがイベントの計画を話すと、安田さんから「バンドブームを経験した世代に、ライブをしてもらっては」と提案がありました。
協力者として安田さんが声を掛けたのが、長岡京市に住む森野義之さん(59歳)。自動車販売をしながら、夜はライブハウスのマネジメントをしています。
「最近はインターネットの動画で演奏を見て満足している人が増えている気がします。多くの人に生の音を体感してほしいですね。今回のライブを通じ、バンド活動がもっと広がっていけばと思います」(森野さん)
2人は審査やアドバイザーとして活躍。特にこだわったのが、曲目をカバー曲に絞るという点でした。
「やはり素人がオリジナル曲を書くのは難しい。観客も知っている曲の方が盛り上がれます。昔、熱中したバンドの曲を出演者、観客ともに懐かしんでもらえたら」(安田さん)
当日はロック、洋楽、J-POP、ビッグバンドなど、多彩なジャンルの7組のバンドがステージに立ちます。持ち時間は約20分。どんな盛り上がりを見せるのでしょう?
「憧れ続けているアーティストの曲は、自然と気持ちが入ります。思いを込めて演奏する、大人たちの“心に響く”音楽を楽しみにしています」(安田さん)
「初めての企画なので全て手さぐり状態。1回目を成功させ、来年、再来年と続けていきたいです」(福川さん)