キーンと冷たい空気を感じる季節。そんな中、ホッと暖かさが感じられるのが、鮮やかな色で咲く花やかれんな実をつける木々。寺社で見つけた、心和む景色を紹介します。
御池通の鳥居から、神泉苑の中央に広がる法成就(ほうじょうじゅ)池へと足を向けると─。緑の葉に包まれるように咲く赤い花が目に飛び込んできます。池の南側に多く植えられたサザンカです。ぽってりとした明るい色の花を見ていると、寒さを忘れられそう。朱色の法成橋との組み合わせも絵になります。
詩仙堂の回遊式庭園「唐様庭園」で見ることができるセンリョウとマンリョウ。どちらもよく似た赤い実をつけますが、センリョウは葉の上に、マンリョウは葉の下に実がなるとのこと。見分けられると、観賞する楽しみも増えそうですね。「詩仙の間」から赤い実が点在する庭園を眺めるのもおすすめです。
「妙蓮寺椿」と呼ばれる早咲きのツバキが11月から開花。400年以上前からこの地にあるというから驚きです。 寺之内通の山門から参道を進んだ、本堂の北側にも植えられていますが、おすすめの観賞ポイントは庭園。より色鮮やかで、美しい形をした花をめでることができますよ。
学問の神様・天神様をまつり、全国天満宮の総本社として知られる北野天満宮は梅の名所でもありますね。その梅に先がけて楽しめるのがロウバイ。国宝である本殿の西側で、淡い黄色の小さな花を下向きに咲かせています。 冬の冷たい空気に漂う芳香からは、一足早い春の訪れを感じることができそうです。