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あなどれないメリットがたくさん 早口言葉って深い!

教えてくれたのは

京都府歯科衛生士会理事の吉本美枝さん。高齢者施設や在宅介護の家庭などで口腔衛生について指導

口腔筋と唾液腺をパワーアップ

早口言葉を話すとき、口の中はどうなっているのでしょうか?

京都府歯科衛生士会理事で歯科衛生士の吉本美枝さんは、「早口言葉を言うと、口の中に唾液がたまるのを感じませんか? それは、舌をはじめ口腔内の筋肉が活発に動くことで、唾液腺が刺激され、唾液を分泌するから。つまり、早口言葉は、口腔筋と唾液腺の働きの向上に役立つと考えられます」。

他の筋肉と同じように、口腔筋は加齢とともに衰えていきます。

読者が考案 オリジナル早口言葉 vol.1



「老化により、唾液腺からでる唾液の分泌量も減るため、口の中が乾燥していきます。むせたり飲み込みにくくなるのも、唾液量の減少が原因なんです」。昔から〝舌が滑らかに回る〟といいますが、これには唾液も重要な役割を担っているようです。

「口の中には、耳下腺、顎下(がっか)腺、舌下腺という三大唾液腺と、唇の裏や上あごに多数分布する小唾液腺があります。早口言葉の準備体操として唾液腺を刺激し、舌や口腔筋の緊張をほぐす下のような体操をおすすめします」

口の動きがよくなったところで、左表の早口言葉にチャレンジしてみて。まずは、大きな口をあけて、はっきりした声で発音することを心がけましょう。間違わずに3回言えればOKですよ。

舌や口腔筋の緊張をほぐすためのエクササイズ

表情筋を鍛えるエクササイズにも

顔や首には、表情をつくる多くの筋肉があります

顔の表情は、口の周りの口輪筋をはじめ、大きく9つの筋肉で構成されています(右イラスト)。上の項目で紹介したように、大きな口をあけて、はっきりと発音することは、そのまま表情筋を動かすエクササイズにつながるのだとか。ということは、しっかりと早口言葉を言えるようになれば、おのずと表情筋にもよい影響が期待できるということに。

「口を閉じ、頬の裏側を舌先で押してみてください。顔の表情筋が押し上げられて、ほうれい線などのしわが薄くなりませんか? 口腔筋と表情筋は、口の内側と外側の関係。つながっているので、口腔筋を鍛えると表情筋に負荷がかかります」と、上で登場した吉本さん。

「早口言葉を言うときに誰かに見てもらいながら、もしくは、鏡を見ながらやると、どの表情筋に負荷がかかっているのかよくわかりますよ」

教えてくれたのは

フリーアナウンサーの辻ひろ子さん。リビングカルチャー倶楽部の講師としても活動

滑舌をよくして話し上手に

滑らかな口の動きや明瞭な発音が必要な早口言葉。滑舌ともかかわりがありそうです。

フリーアナウンサーで朗読教室講師の辻ひろ子さんは、「滑舌がよいというのは、すらすらと聞き取りやすく話せること。滑舌がよいと、自分の話したいことがしっかりと相手に伝えられますし、話の内容に説得力が出て、印象もよくなります」と話します。

朗読教室の講師として多くの生徒の指導にあたってきた経験からも、「滑舌には個人差がありますが、練習すれば必ずよくなります」とのこと。

早口言葉は、まず、ゆっくりと一文字ずつ発音することからスタート。「腹式呼吸を心がけないと、のどをいためますよ」

間違えずに一文字ずつ言えるようになったら、単語、文節、文章と区切りを長くします。1つの早口言葉がゆっくりと言えるようになったら、スピードアップを。

「言葉の意味を考えると発音しやすくなります。できれば、五十音のア行からワ行まで、それぞれの行の音を多く含む10種類の早口言葉をまんべんなく練習するのがよいと思います。特に、ナ行、サ行、ラ行は苦手な人も多いですね」

そして、「20、30年前のテレビでは、1分間にニュースで280字、スポーツで360字を読み上げていました。今は1分間に300~360字。時代とともに話し方も早くなっていますから、普段の会話でも、滑舌を大切にしてほしい」とのことでした。

読者が考案 オリジナル早口言葉 vol.2

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