「ダイゴリア」というユニークなネーミングは、「醍醐」と「ヒストリア」(ラテン語で歴史書の意味)を合わせたグループ名「醍醐ヒストリア」の通称です。この日は、取材のため普段活動している「京都市醍醐いきいき市民活動センター」にメンバーが集まってくれました。市民による醍醐の歴史研究とは、一体どのような活動なのでしょう。
「醍醐は醍醐寺で有名ですが、地域の歴史についてまとめた書物が少なく、そのほかの史跡などについてはあまり研究がされていませんでした。そこで、自分たちで醍醐の地域に根差した歴史研究を進めていこうということに」と話すのは、メンバーの谷口拓さん。
「ダイゴリア」が生まれたのは、「京都市醍醐いきいき市民活動センター」で開催した「だいごトレジャーハンター~醍醐のお宝探し~」というイベントがきっかけ。醍醐の歴史、お店や人、さまざまな〝お宝〟を探しながらまちを歩くというもので、この参加者の中から歴史好きの7人が集まり「ダイゴリア」を発足。昨年8月以来、1~2カ月に1回程度、同センターで活動しています。現在、メンバーは20~70代の男女、13人にまで増えました。
歴史の研究というと、ちょっと堅いイメージですが、ダイゴリアでは、楽しく学ぶということを重要視。会合の最初は、近況報告を兼ねた「チェックイン」からスタートし、場が和らいでから本題に。取材に訪れた日も「最近楽しかったこと」を1人ずつトーク。「久しぶりに昔の同僚に再会した」「おいしいワインを飲んだ」と話がでると、「どこで?」「あそこのお店もおいしいよ」など会話が弾んで和やかな雰囲気に。通常の会合では、この後、発表に移ります。
発表は、毎回1人が担当。興味があることを調べて報告するスタイルです。これまでに、「醍醐にゆかりのある古代の歌について」「醍醐の街道について」などメンバーが得意とするテーマで行われてきました。
「発表したことから派生して、次のテーマが決まることも。醍醐のさまざまな歴史に詳しい人が集まっているので、また別の人が報告をしてくれるんです」と谷口さん。
実際に発表された現地に足を運ぶなど、まち歩きに出かけることも。お正月には醍醐にある神社について調べて、初詣に出かけたそう。このまち歩きもメンバーの楽しみとなっています。
松山信子さんは「私はまち歩きがしたいと思って参加しました。本や資料で勉強するだけではなくて、実際に住んでいる地域の人たちと話ができるのがいいですね」。
こうした活動の積み重ねもあり、12月7日(日)に開催される「だいごトレジャーハンター~醍醐のお宝めぐり~」では、メンバーのうち2人が講師を務めることに。史跡などを巡りながらまちを歩く際、参加者に説明をする予定です。醍醐の歴史を掘り下げることが、醍醐の魅力を多くの人に伝えることにもつながっているんですね。