カメラに向かってスマイル。西京区の桂徳児童館で、地域の人の笑顔の写真を撮り、映像を作る取り組み「けいとくスマイルプロジェクト」が進行中です。カメラマンは子どもたち。被写体はすてきな笑顔の持ち主です。
「今日はどこに行くの?」「カメラ、私にも貸して」
同児童館の2階に響くにぎやかな声。集まっていたのは児童館の写真部のメンバーで、小学2~3年生の9人です。写真部全員がこのプロジェクトに参加しています。撮影がスタートしたのは9月。これまでに学区の運動会を訪れ、地域の人の笑顔を撮影してきました。
取材に訪れた日は、近所のお店を中心に回ることに。長年、児童館の事業や地域の行事を撮影している竹田幸雄さんも一緒です。さあ、みんな集まったところで出発!
まず向かったのはベーカリーショップ。全員で店に飛び込んだものの、地域の人の撮影に緊張している子どもたち。なかなか撮影を切り出せません。「笑顔の撮影をさせてください!」。やっと言えた言葉に、店主の大八木啓介さんも快く了承してくれました。
「子どもたちとは普段あまり触れ合う機会がないので、良いきっかけになりました」と、大八木さん。
次は漬物店へ。慣れてきたのか、今度はすぐに撮影のお願いができました。「店員さんに漬物を持ってもらおう」「外の看板の前がいいんじゃない?」と、何やら相談しているよう。撮影シーンもちゃんと考えているんですね。カメラの台数が限られているので、順番に撮影。うまく撮れましたか?
「写真を撮るのは好き。難しかったけど、ちゃんと笑った写真が撮れたよ」と、小学3年生の森奏翔(かなと)くん。
4カ所目に訪れたのは学区内にあるNPO団体の施設です。ここでは、被写体が6人とこれまでより多め。「人数が多くて、収めるのが難しい」と苦戦する子もいましたが、距離をとってどうにか成功。
「よく遊びに来てくれていた子と久しぶりに会えて、思わずハイタッチしました。上映会にももちろん行きますよ」と代表の石原幸江さん。プロジェクトが、結びつきを強めたようですね。
1時間ほど歩き、これまでに5カ所を巡った子どもたち。最後に向かった保育園には、赤ちゃんがたくさんいます。どの子を撮ろうか、メンバーは園内をウロウロ。
「赤ちゃんはすごく小さかった。止まってくれないから少しぶれちゃったけど、かわいく撮れたよ」と小学2年生の角江夢奈さん。お姉さん気分で楽しめたようです。
「子どもたちと地域の人の交流を増やしたい、児童館の活動で町を盛り上げたいと思っています」と話すのは同児童館館長の松本紀子さん。そんな思いからプロジェクトを企画し、地域の自治連合会やNPO団体に協力してもらっているそう。
「子どもたちには、地域の人ともっと関わってほしいです。この企画は笑顔を集めるというもの。見た人も笑顔になり、多くの笑顔が地域全体に広がるような作品にしたいです」
写真部を見守る竹田さんにも話を聞きました。
「子どもは考え過ぎずに、気になったものをすぐに撮影します。技術はまだまだでも、大人とは違った感性を持っていておもしろいですね」
「子どもたちが撮影した写真は、NPO団体に協力してもらい10分ほどの映像にします。12月13日(土)の夜、桂徳小学校のグラウンドに設置するスクリーンで上映。当日は映像を流すほか、ギターの演奏、高学年の子どもたちによる『夜空のカフェ』ではドリンクのもてなしを行う予定です。多くの人に来ていただけるとうれしいですね」(松本さん)
問い合わせは桂徳児童館=TEL:075(874)6125=へ。
【日時】12月13日(土)午後5時~8時 ※映像は時間内に複数回流れる予定
【会場】桂徳小学校グラウンド(西京区桂徳大寺南町2)
※入場無料。雨天の場合は桂徳児童館内で開催