公園でワイワイ、にぎやかなお父さんたち。何やら順位を競っているようですが…。宇治・菟道公園で、月1回、お父さんたちの〝腕試し〟が行われています。お父さんが頑張る姿を見ている子どもたちも興味津々!
秋晴れの空のもと、公園の一角で自転車をゆっくりと走らせる男性の姿が。あっ、横転!
「いけると思ったんやけどなぁ」と乗っていた男性が、自転車を起こしながら立ち上がりました。そこに「残念、失格やな」と、ストップウォッチを手にした男性が笑顔で宣告。
これは、幅1m50cm、全長20mの直線コースを、〝いかに遅く〟走りきるかを競う「自転車遅乗り」。こんな珍競技を考え挑戦しているのは、地元の父親を中心に結成された「冒険とうちゃんず」です。
〝とうちゃん〟たちが出会ったきっかけは、「宇治に冒険遊び場つくろう会」が行っている「うさぎはらっぱであそぼうよ」の活動。ボール遊びができる広場や木立などもある、菟道公園を会場にして定期的に開催されているこのグループのメンバーが、「お父さんたちのつながりを広げたい」と昨年7月に結成しました。
ダブル代表の内山裕(ひろし)さんと島田佳玄(よしはる)さん、副代表の米田智一さん、父親予備軍の大学生も加わり、現在のメンバーは8人。
メインの取り組みは、月1回、前述のような珍競技に挑戦する「父腕(ちちわん)グランプリ」です。「うさぎはらっぱであそぼうよ」が開催されているかたわらで、本気モードの〝とうちゃん〟たちが激しいバトルを展開。「誰でも参加できますし、1回だけでも構いません。1度参加すれば、もう“とうちゃんず”です」と内山さん。
この「父腕グランプリ」を始めたのは、「『冒険とうちゃんず』で、どんなことをしようか考えていたときに、子どものころに得意やったこととか、おもしろいアイデアが次々と挙がったことから。それなら、まとめてグランプリ形式にしてみようと」と島田さん。これまでに、「回転ダッシュ」「サクランボの種飛ばし」「丸太切り」などさまざまな競技に挑戦してきました。
「毎回真剣です。子どものころのようにいかなくて、残念なことも多いですが」と米田さん。皆さんも「やるからには勝ちたい」「もちろん」と話します。
そんな父親たちの姿を見て、「うさぎはらっぱであそぼうよ」に来ている子どもたちも黙ってはいられません。「私もやりたい!」と名乗りを上げてくるのだとか。
「実は、狙いはそこ。活動の軸は子どもの目線。父親たちがあーだこーだと話し合って物事を進めたり、真剣に取り組んでいたり、思いっきり楽しんでいる姿から、子どもたちが何か発見してくれたらいいなと思っています」(内山さん)
さらに、「意外な個性が見えたり、父親同士も得ることは多いですね」。
子どもたちに話を聞くと、「お父さんに勝ってほしい」「むっちゃがんばってる」と、父親の株も上昇しているようですよ。
父腕グランプリは来年1月がファイナル。「その後も、今よりは緩やかなペースになりますが、活動は続けていきます」とのこと。今後の予定は、11月16日(日)、12月14日(日)、2015年1月25日(日)各午前10時~午後4時ごろの予定。申し込み、参加料などは不要です。
問い合わせは、「宇治に冒険遊び場つくろう会」=まで。