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毎週木曜日、宇治市の住宅地で「カフェしおん」が開いています

高齢者の交流の場をつくりたい。そんな思いがこもった、60歳以上の人が集える場が誕生しました。開かれるのは週に1度。新たな試みは、どんなつながりを生み出しているのでしょう。

看板が出ていれば「カフェしおん」がオープンしているサイン。手入れされた庭を抜け、階段を上れば玄関です

宇治市内の住宅地にある、三角屋根の家。ここに住む小山和子さん(67歳)が9月にスタートさせたのが60歳以上の人を対象にした「カフェしおん」です。

この日集まっていた7人は、お互い初対面という人がほとんど。「はじめまして」のあいさつが交わされます。

「さあ、飲み物は何にする? 今日はシュークリームを作ったの」と小山さんが声を掛ければ、「私はカプチーノ」「じゃあ私も!」「手伝うわ」と、あっという間ににぎやかに。

「カフェしおん」が開かれているのは、毎週木曜日の午後2時~5時で時間内は出入り自由。飲み物と小山さん手作りのケーキは無料です。気軽に訪れてほしいという思いが伝わってきますね。

「この前、家庭菜園にイタチが入ってね」「テレビのバラエティーでやっていた、あの芸能人の親子見た?」。たわいない会話ですが、こうした交流が楽しい、と皆さん。まるで〝井戸端会議”が繰り広げられているようです。

話し始めると、すぐに和やかなムードに。「大人数で集まるのは久しぶり。なんだか同窓会みたい」との声も

住民が集まる交流の拠点に

小山和子さん。「近隣の方でなくとも、60歳以上なら大歓迎。多くの人が訪ねてきてくれると、私も楽しいです」

「私は仕事大好き人間だったんです」と話す小山さん。30年間、学習塾で精力的に仕事を続けてきましたが、3年前に病気で倒れたことで第一線から身を引くことに。その後も運営には関わっていたものの、昨年12月に退職を迎えたのだそう。

「仕事がなくなって、やはり寂しかったですね。ただその一方で、家のベランダで読書をするといった楽しみも見つかりました」

家にいる時間が増えたことで、見えてきたのは地域の状況。開発されて45年という近隣の住宅地は、高齢化が進んでいました。

「周りに多いのが70代、80代で一人暮らしをしている家。そのためか、この辺りはとても静かなんです。あいさつをすると楽しそうに話してくれる近所の人たちと、もっと交流したいなと思っていました」。これが「カフェしおん」ができるきっかけなんですね。

始める前は、読書をしながらのんびりと訪れる人を待つ、というスタイルを想像していたとのこと。ところが、回を重ねるごとに集まる人は増えていき、小山さんは大忙し。

「人に教える仕事をしていたので、自分が話してばかりでした。これからは経験豊かな人の〝聞き役”をライフワークにしていきたいです」

「カフェしおん」は、今後どのような場所になっていくのでしょう?

「家の前を通りがかって、気になっている人はたくさんいると思います。顔を見せてくれる日が来ることを期待して、続けていきたい。実際に来ることはなくても、近所の人との会話の糸口としてこの場所が話題になればいいですね」

問い合わせは小山さん=TEL:0774(27)4511=へ。

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