ホーム > > 特集:ひと > 仲間づくり、生きがいづくりのきっかけは、“ひげ”!

若い世代も“人生の先輩”も集う「愛髭(あいし)会」 仲間づくり、生きがいづくりのきっかけは、“ひげ”!

仲間づくり、生きがいづくりのきっかけは、“ひげ”!

9月に募集をしていた「リビング京都」の読者モニター。応募のファクスに目を通していたとき、ふと手が止まりました。そこには、ひげをこよなく愛する仲間たちの集い「愛髭(あいし)会」の活動について書かれていたのです。興味をひかれ、さっそく応募者の巽敏郎さんに連絡。その数日後、月に一度の定例会の日に、みなさんと対面を果たしました。

現在の会員数は約30人、20代~80代と幅広い年齢層の人が集います。(前列左から)大野丈さん、副会長・宮川俊彦さん、(中列左から)同会会長・今枝徳蔵さん、副会長・大隈剛由さん、(後列左から)三木俊佑さん、早川隆良さん、藤井康生さん、丸本勝さん、安本益邦さん、岩間貞治さん、本田元昭さん、事務局長・巽敏郎さん。「入会者のパートナーから『私たちも参加したい』という声があがっているんです。今後は夫婦参加も可能にしようと考えています」(巽さん)

「ひげを生やした人たちが集まっているから、すぐ分かりますよ」。そう言われて向かった待ち合わせ場所。本当、遠くからでも気が付きました。

この日は12人が京都市内に集合。それにしても“ひげの会”とはユニークですが、もとをたどれば巽さんの長年のひげへの憧れがあったようで…。

「若いころにひげを生やしていて褒められたことがあったんです。その後、仕事の関係でそっていたんですが、いつの日か、ひげの魅力について語り合える仲間が欲しいと思っていました」

そんなころに出会ったのが、同会で会長を務める今枝徳蔵さん。写真の通り、立派なひげの持ち主です。「今枝さんに“ひげの会”を設立したいと相談したところ、堅苦しくない会であればと快諾してもらえました」

こうして2013年5月、「愛髭(あいし)会」を設立。自身の退職とも重なり、晴れて巽さんも“ひげ紳士”へと変身しました。

「イキイキしてるね」と家族も応援

定年退職後の人生を楽しもうという思いもこめて、巽さんが次に始めたのが仲間探しでした。自宅近くの神社に張り紙をしたり、ひげの男性を勧誘したりと、行動的!

「私は、その神社の手作り市に行ったときに巽さんにスカウトされました」とは岩間貞治さん。

別のパターンで入会したのは、本田元昭さん。「近くの店に置いてあった会の案内を見て、巽さんに連絡したんです。そしたら、すぐに駆けつけてくれて」

驚いたのは、そのとき本田さんは、ひげが生えていないどころか、ひげに興味もなかったということ。「何かしてみたい、何か変化が欲しいと思っていたところだったので。妻にはひげを生やすことは反対されましたが(笑)」。そのひげも、今ではすっかり様になっています。

一方で、妻から入会をすすめられた人も。84歳、会の最高齢者である早川隆良さんです。

「日々忙しく過ごしていますので、息抜きになればと思って」。そう話す早川さんの顔を見ると…。アレ? ひげがないような。「実は、昨日、散髪に行ったら居眠りしている間にそられてしまって(笑)」

そんな早川さんは会の魅力をこのように話してくれました。

「若い人と話をすることで、生きるパワーがもらえるよう。この会に参加していると、“青春”という感じです」。同会副会長の宮川俊彦さんも、「定年後は新しい出会いはあまりありませんから、この会に参加することは妻も大賛成! 会合の後に帰宅すると、『イキイキしてるね』って言われます。自分でもそう思うんですよ」。

実は同会への入会条件には、“ひげ”の有無は関係ないのだそう。

「ひげは、きっかけにすぎません。これからも、人と人、心と心のつながりを大切にしていきたい」と会長の今枝さん。夫や父親がイキイキと過ごしているとうれしいものです。新しい生きがいや仲間探しをしている家族に教えてあげてみては。

入会費や会費は無料(通信費として年間5000円要)。
問い合わせは事務局長の巽さん=TEL:090(17151)3157=まで。

このページのトップへ