京都を活動拠点とする女子プロ野球チーム「フローラ」(※)の選手たちが、9月23日(祝・火)に西京極の球場でダンスを披露します。ちょっと変わったこのイベント「PLAY BALL KYOTO」は、いったいどのようにして生まれたのでしょう?
※「京都アストドリームス」の継承チーム。2013年より現チーム名に
8月も終わりのある日、記者が訪ねたのは大阪の球場。「フローラ」の選手たちが、アメリカ人振付家であるアリソン・オアーさんと顔合わせをしていました。オアーさんはこれから約1カ月、選手とともに過ごしながら、ダンスパフォーマンスをつくり上げていくのだとか。
「野球は何歳から始めたの?」「好きなメジャー球団は?」と、さっそく選手に話しかけるオアーさん。選手たちも、身振り手振りを交えつつ笑顔で答えていて、早くも打ち解けた雰囲気です。
「オープンマインドな選手が多いみたい。いいパフォーマンスができると思うわ」とオアーさんは張り切っています。
オアーさんは、アメリカで活躍中のコミュニティーダンスの振付家。一般の人を踊り手に選ぶことが特徴で、これまでには道路清掃作業員や身体障害者など、さまざまな人とダンスをつくってきました。
また振り付けには、踊り手となる人たちの普段の動作を取り入れていることもポイント。たとえば、道路清掃作業員が踊る「ザ・トラッシュ・プロジェクト」では、持ち上げたゴミバケツの中身を収集車に空ける動きなどがダンスに組み込まれています。
そんな制作活動が注目され、オアーさんはこの夏、京都芸術センター(中京区)に招かれ、来日。
「自国とは異なる文化の中で、新たな作品を生み出してもらえたら」と同センターの上村絵梨子さん。そしてオアーさんは同センターに「京都でやりたいこと」として「女子プロ野球チームと一緒にダンスをつくりたい」と提案したのです。
なぜそのテーマを選んだの? オアーさんに尋ねると、「アメリカは野球のさかんな国だけど、女子プロ野球の球団はないんです。だから、ぜひ選手に会って、野球への思いや彼女たちが経験してきた大変さについて聞きたいと思ったし、それをダンスという形で京都の人に伝えたかった」との返答が。
オアーさんは制作活動を行う際、踊り手と対話を重ね、それをもとに、その人たちの飾らない姿や人生の物語をダンスに落とし込むと言います。
〝野球の国〟からやって来たアーティストが注目する女子プロ野球の世界。そこで活躍する選手たちの姿は、どう表現されるのか―。確かめに行ってみませんか。
9月23日(祝・火)午後7時開演(午後6時開場)※雨天決行
わかさスタジアム京都(阪急「西京極」駅より徒歩約5分)観覧無料・予約不要
※スタンド前方中央の予約席(無料・先着2000人)を希望する場合は、京都芸術センターホームページから申し込みを。 http://www.kac.or.jp