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made in 城陽のイチジク、今が旬!

8月の中旬から店頭に並び始めたイチジク。よ~く見ると、〝城陽産〟と書かれているものがありませんか。濃厚な甘さと、さわやかな風味がたまらないイチジクは、京都では城陽市で多く栽培されているんです。地元の味ともいえる、このイチジクの出番をもっと増やしてみませんか。

昭和8年から、「桝井ドーフィン」を栽培

イチジクの実を手にした森田さん。「基本的には、木の下のほうから実が熟していきます。9月ごろからは葉が病気にならないようにするなど、手入れに手間がかかります。食べるときは冷蔵庫で1~2時間冷やして。冷やしすぎないほうがおいしいですよ」

8月中旬のある日、田畑が広がる城陽市寺田で待ち合わせをしたのは、JA京都やましろのイチジク部会・会長の森田俊さん。森田さんの畑に連れていってもらうと、太い幹から、すらりと長い枝が伸びたイチジクの木が。高さは1m30㎝ほどで、手のひらよりもやや大きいくらいの濃い緑の葉とイチジクの実がたくさんついています。

「城陽市で栽培されているのは主に『桝井ドーフィン』という品種で、実が大きく、甘いのが特徴。女性のこぶし大くらいになりますよ」

城陽市役所農政課によると、城陽市でこの品種の栽培が始まったのは昭和8年ごろ。その後、昭和25年あたりから、イチジクを栽培する農家が増加し、今では約110軒の農家が生産。およそ20haの栽培面積があり、年間450tほどが出荷されています。

「イチジクの栽培には、水はけがよく日当たりがよい場所が適しています」と森田さん。

「天気も重要。くもり空が続くと実が赤くならず、甘みも少ない。カラッと晴れた日が続くほうがよいイチジクになるんですよ」

ミネラルや食物繊維など、栄養たっぷり

〝世界最古の栽培果樹〟ともいわれ、日本には江戸時代に入ってきたイチジク。栄養が豊富なことでも知られています。

「イチジクは、ビタミン、カルシウム、鉄分などのミネラルが多く含まれたアルカリ性の果物です」と教えてくれたのは、地域の食生活をサポートするボランティアグループ「ヘルスメイト城陽」の会長・細川康子さんと、副会長の今西良子さん。

同会の資料によると、イチジクの果実100gあたり、ビタミンCは2mg、カルシウムは26mg、鉄分は0.3mg含まれているとか。腸の働きを助ける食物繊維のペクチンや、消化を促す酵素・フィシンも含まれています。

ひとつの実にさまざまな栄養素が入った、頼もしいフルーツなんですね。

早朝に収穫し、その日のうちに出荷

イチジク栽培を始めて20年以上という森田さん。

「冬の間は木の剪定(せんてい)をしたり、肥料をやったり。4月になると芽が出てきます。そして5月に、実をつける枝を選んで不要な芽を取り除く“芽かき”をしてから、6月には揺れたりしないように枝を支柱に固定。ひとつの枝に20個ほどの実がつくように調整します。収穫は、毎年8月10日くらいから10月ごろまで。今年は、育ちがよかったため1週間ほど早く収穫し始めました」

ほぼ1年を通じて作業は続きますが、収穫シーズンは最も忙しい時期。朝5時半から畑に出かけ、収穫後、自宅の作業場で選別やパック詰めをし、午後には出荷。取材に訪れた日も午前11時ごろには、作業場に赤く大きなイチジクが並んでいました。

「熟したイチジクは柔らかくデリケートで、あまり遠くまでは発送できません。城陽のイチジクの多くは、主に京都市中央卸売市場に出荷されていて、消費地と産地が近いこともおいしいイチジクが食べられる理由です。全体に赤く色づいたものが甘いですよ」

作業場には、熟して割れてしまったものも。こちらは出荷できないそうですが、見るからにおいしそう! 森田さん、これはどうするのですか?

「うちではジャムにしたり、ドライフルーツにしています。また、上下の固い部分をカットして、皮のまま米酢で炊いても。沸騰させる、冷ます、を何度か繰り返し、仕上げに砂糖を。冷たくして食べています。冷凍保存も可能ですよ」

生でも、料理に使ってもおいしいイチジク。2ページ目では、プロに教えてもらった料理方法を紹介します。ぜひチャレンジしてみて。

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