秋の風が吹くころ、夜空を見上げるとまんまるの月が─。今年の中秋の名月は9月8日(月)と、もう間近。京都市内の寺社の観月祭へ出かけませんか。船に乗りながら見るもよし、雅楽に耳を傾けながら見るもよし、楽しみ方はさまざまですよ。
平安時代に作られた庭園と大きな池がみやびやかな雰囲気の真言宗寺院「神泉苑」。こちらの「神泉苑観月会」の魅力は、池に浮かべた船に乗り、月を眺められること。船の形や装飾は当時のものが再現されているとあって、まるで平安貴族のような気分になれそう。抹茶とお菓子(有料)をいただきながら、お月見を。
通常は公開されていない庭園北東エリアも、この日は特別に公開。奉納演奏も行われます。
賀茂別雷神社の「賀茂観月祭」では、重要文化財の馬場殿で神事が行われたあと、「上賀茂小学校PTA和太鼓クラブ」による太鼓の演奏や、フォークソングライブなどの音楽奉納を鑑賞できます。 奉納後には、「亀屋良長」の月見だんごの無料接待も(午後6時から整理券配布、先着300人)。さらに、「増田徳兵衞商店」(京都市伏見区)のにごり酒「月の桂」が全員に振る舞われます。
「祇園社観月祭」が開かれるのは、多くのちょうちんが飾られた八坂神社の「舞殿」。さまざまな“音”に包まれるひとときを過ごせます。 京都女子大学交響楽団の演奏を皮切りに、祭典、「献詠披講」(和歌を詠み上げること)と続き、弥栄雅楽会による「管弦・舞楽」や、琴の音が美しい「生田流筝曲(そうきょく)」が。最後は迫力ある「祇園太鼓」の音が夜空に鳴り響きます。
昭和38年から一般に公開されるようになった「名月管絃祭」。その伝統は平安時代までさかのぼるのだそう。 かがり火とススキの穂が揺れるなか、十二単(ひとえ)を身にまとっての平安貴族舞、舞楽、管弦、琴の演奏などが奉納されます。お茶を味わいながら、茶席から月を見ることもできますよ。 賀茂御祖神社周辺にあるお店の名産品を参道に集めた「かがり火市」も毎年好評なのだとか。