6月の末、半年の区切りとして厄を落とす「夏越祓(なごしのはらえ)」が行われます。その儀式のひとつが「茅(ち)の輪くぐり」。チガヤでできた大きな輪をくぐって、厄よけや無病息災を祈願します。風情ある伝統行事に出かけてみませんか。
①茅の輪くぐりができる期間 ②神事 ③住所・アクセス ④電話番号
6月28日(土)の「茅の輪くぐり初め」のあと、参拝者は自由に茅の輪くぐりができます。29日(日)・30日(月)に授与されるのは「お祓いさん」と呼ばれるチガヤ。「水無月の夏越の祓する人は千年(ちとせ)の命(よわい)延ぶといふなり」という「拾遺集」の和歌の短冊が付けられています。
松尾大社の使いは健康長寿の象徴であるカメ。「撫で亀さん」「亀の井」など、境内のいたるところに見られます。茅の輪くぐりとあわせてカメをなで、無病息災を祈ってみては。
長岡京遷都の際、藤原氏の氏神である奈良の春日大社の神を分祀(ぶんし)した神社です。春日神(かすがのかみ)の使いがシカであることから、拝殿の前にはこま犬ならぬかわいい神鹿が。
茅の輪が設置されるのは3日間。青々とした茅の輪と、春日大社を模した本殿の鮮やかな朱色のコントラストが楽しめます。長岡京の歴史が感じられる神社へ、身を清めに出かけましょう。
病気平癒・交通安全の神として有名な西院春日神社。秋に行われる「春日祭」がにぎわいをみせますが、夏越祓にも地元を中心に多くの人が集まります。
茅の輪がくぐれるのは1時間ほどの神事のときから、翌日の正午まで。神事の前には人形が配られるので、息を吹きかけケガレを移しましょう。また、参拝者は暑気払いのうちわがもらえます。子どもにはお菓子が配られるとのことなのでお楽しみに。
野宮神社は嵯峨野の竹林に囲まれた社。この時季は庭園「野宮じゅうたん苔」の緑が目に鮮やかです。茅の輪がかけられるのは、樹皮がついたままという日本最古の鳥居の形式を残した「黒木の鳥居」。6月21日(土)から設置されていて、参拝者は自由にくぐれます。
神事に使う人形(ひとかた)は社務所のほか嵐電「嵐山」駅でも配られているのだとか。人の形に切り抜かれた紙にケガレを移して奉納すると、たき上げて厄を落としてもらえます。
創建は養老2(718)年。地域の守護神として古くから信仰されてきました。こちらの「夏越の祓」は毎年夏休み中の7月31日に行われるので、家族連れにもおすすめ。茅の輪は神事が終わってからくぐることができます。
茅の輪に使われたチガヤの葉は神事の後にいただけます。また、当日のみ「ちのわ御守」の特別授与(有料)もあり。持ち帰ったら厄よけとして玄関に飾って。