2014年のNHK大河ドラマの主人公、黒田官兵衛。豊臣秀吉の軍師として活躍した人物です。今回は、伏見にある官兵衛ゆかりの場所を紹介。当時をしのぶことができるスポットにも足を運んでみませんか。
※記事内の表記は、通称の「黒田官兵衛」で統一
教えてくれたのは
「殿、ご運が開けてまいりましたな。これで天下はあなたのものです」
これは、信長が明智光秀に倒された(本能寺の変)という知らせを聞き、皆が動揺している中、官兵衛が秀吉にささやいたといわれている言葉です。
「“この瞬間に天下を狙える”という発想と野心を持ち合わせていた官兵衛を、後の天下人となる秀吉は信頼を寄せる一方で油断できない相手として警戒するようになりました」と山村さん。
「伏見は、秀吉がつくった城下町ともいえます。まずは、現在の伏見桃山城運動公園の南西に築城を試みましたが、地震により崩壊。伏見桃山陵(明治天皇陵)のある位置に移築しました」
今は、巨大だった城の跡がわずかに残るだけです。
●伏見区桃山町大蔵45。午前6時~午後7時(季節により変更あり)。入園無料(野球場などは有料で要予約)。問い合わせは、伏見桃山城運動公園=TEL:075(602)0605
「約450年前に建立されたお寺。伏見城の外堀の内側を囲っていた、惣構え(そうがまえ)という土塁が現存しています。惣構えの上に位置する墓地からは直線距離で約500m先にある伏見桃山城の天守閣が見えます。当時の伏見城はさらにその約500m先。お城の領地の広大さを感じられますよ」と山村さん
●伏見区桃山町丹下30。
問い合わせは栄春寺=TEL:075(641)2070 ※惣構えの見学は随時可能
「伏見で一番古い神社。境内には、伏見城に使われていた石垣の石が置かれています」(山村さん)
●伏見区桃山御香宮門前町。拝観時間は午前9時〜午後4時。拝観料無料。問い合わせは御香宮神社=TEL:075(611)0559
「おもひおく 言の葉なくて つひに行く 道はまよはじ なるにまかせて」(この世に思い残すことはもう何もない。今は迷うことなく心静かに旅立つだけだ)
これは、官兵衛が残したとされる辞世の句。享年59歳でした。
「黒田藩の屋敷が与えられたのは、城から近からず遠からずの鬼門とされる方角にある場所。屋敷跡の位置からみても、功績に比べて決して優遇されていたわけではないことが分かります。官兵衛は秀吉が恐れるほどの器を持った人間だったからではないでしょうか」
官兵衛の屋敷があった場所(深草大亀谷敦賀町近辺)には、現在、住宅が立ち並んでいます。
「屋敷跡近くには、秀吉が伏見城の鬼門の守りとして移築した古御香宮神社があります。官兵衛もお参りしたかもしれませんね」と山村さん
●伏見区深草大亀谷古御香町