今週末、「梅小路公園」に「すざくゆめ広場」と「市電ひろば」という新しい2つの広場が誕生します。完成間近の2月下旬、記者が現地を訪ねたところ、芝生を植えたり、建物の中へ荷物を運び入れたりと、たくさんの人が作業中でした。さて、どんな場所になるのでしょうか。
2つの広場ができるのは、梅小路公園七条入り口広場の東側。「すざくゆめ広場」は、5700㎡の敷地に、大型遊具やオープンテラス付きカフェ、市電展示室がある複合スペースです。
なかでも目を引くのは、長さ14mのローラーすべり台。赤い縄でできたトンネル、ロッククライミングのように登っていく壁など、さまざまな遊具とドッキングしています。その隣には、ロープを編んだ巨大なクモの巣のようなジャングルジムも。一番高いところでは6mになるのだそう。どこからどうやって登ろう?と、子どもの心に好奇心がムクムクッとわきあがりそう! 「子どもたちがのびのびと遊べて、冒険心を育てることができるようにと、子育て世代の人々や専門家の意見を参考に設置しました」と、京都市建設局水と緑環境部 緑政課担当係長の髙野仁さん。子どもたちがにぎやかな歓声をあげながら遊ぶ様子が目に浮かびますね。
また、「子どもから大人まで、いろいろな世代の人が交流できる憩いの場をという思いで、2つの広場を整備しました」と語るのは、同課担当課長で梅小路公園再整備担当の的場靖史さんです。
遊具のほかにはどのような楽しみがあるのでしょう?
そのひとつが、市電展示室に置かれた電車。外装はきれいですが、窓や装飾が何だかレトロな雰囲気…。それもそのはず、これは明治時代に京都を走っていた〝チンチン電車〟なんです。
「台車部分は鉄製で、車体は木製です。色を塗り直すなどして、当時の姿を復元しています。京都は明治28年に日本で最初に路面電車が走った街なんですよ」(的場さん)
市電展示室横には駅舎があり、チンチン電車がもう1台。こちらも明治時代に製造された車両で、同公園内の別の場所で運行していたもの。これからは「すざくゆめ広場」とその隣にできた「市電ひろば」間を運行することになりました(1日300円、片道1回150円。土日祝、夏休み期間のみ)。これを機に動力源をリチウムイオン電池に変更。芝生が敷かれて緑化された線路で、ふたつの広場を結びます。わずか数分ではありますが、こんなレトロで動く電車に乗れるなんて、子どもだけではなく、大人もついついはしゃいでしまいそう!?
「市電ひろば」に来てみると、こちらにも、大正から昭和40年代初めにかけて製造された市電の車両が4両置かれていました。うち2つは休憩所として無料開放され、そのほかは、軽食と喫茶の「市電カフェ」、電車グッズや京都のお土産などを販売する「市電ショップ」として利用されます。
オープン当日の午前11時からは開園とチンチン電車の発車式典が行われます。大型遊具で思いっきり遊んだり、懐かしい電車を見たり、乗ったり。いろいろな楽しみ方ができる新スポットに行ってみては。
●梅小路公園=下京区観喜寺町、TEL:075(352)2500
※「すざくゆめ広場」「市電ひろば」への問い合わせは、京都市建設局水と緑環境部 緑政課=TEL:075(222)3589