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紙芝居を通して淀の歴史を伝えたい

淀近隣の住民グループ「淀みず車(ぐるま)の会」が、紙芝居を自主制作し、淀の歴史を伝えようと活動しています。10月27日(日)「草津みなと鱧(はも)海道祭り」で上演する新作の制作に取り組むメンバーを訪ねました。

絵の順番を確認するメンバー。「街道をゆく」では、鳥羽街道(旧千本通)沿いにある13の名所が登場

「淀城があったことは知っていても、それ以外の淀の歴史については知らないという人が実は多いんです」。そう話すのは、「淀みず車の会」の会長・渡辺辰江さん。「家に先祖が書いた江戸時代の古文書などが残っていたことから、これらを生かして何かしたいと、紙芝居を思いついたんです」

同会では、農耕用の水を取り入れるものは水車(すいしゃ)、庭園に水を取り入れるものは水車(みずぐるま)と定義づけており、かつて淀城に水車(みずぐるま)があったことから、会の名称にしたのだそう。メンバーは17人。月に1回例会を行い、半年に1作のペースで紙芝居を制作しています。

現在は、4作目となる作品「街道をゆく」を制作中。全15枚の紙芝居で、伏見区納所にある「唐人雁木(とうじんがんぎ)の碑」から鳥羽街道(旧千本通)を北上し、「念仏寺」「藤田家住宅」「残念石」などにまつわる歴史を紹介する内容です。1枚ごとに担当者を決め、それぞれが下絵から色塗り、朗読するセリフの文章まで制作しているそう。

この日集まってくれた「淀みず車の会」のメンバー。前列中央が会長の渡辺辰江さん。月例会は松井遠妙さん(後列右から2番目)が住職を務める妙教寺で行われています

メンバー全員で作り上げていく過程も大切

文章の校正作業では、メンバーが活発に発言していました



10月27日(日)「草津みなと鱧海道祭り」

取材に訪れた9月の例会の出席者は12人。完成間近の「街道をゆく」の最終チェックが行われていました。まずは、本番と同じように一通り紙芝居を進行し、修正すべき箇所を確認。セリフの文字を一つ一つ皆で読み合わせていきます。

「この絵には、もう少し線を描き足した方がよいのでは」「ここは意識してゆっくり読んで」「ここはお客さんの顔をみて読むか読まないか決めてはどうか」「絵の中の場所を指し示した方が分かりやすい」と意見が飛び交い、メンバーの表情は真剣そのもの。校正後、専用の絵の具で色付けをする“コーティング”という作業をすれば完成です。

「子どもにも分かるようにセリフを作り変えて、福祉施設や小学校で上演することもあります。一人でも多くの人に、淀の文化や歴史を伝えていきたいと思っているんですよ。この紙芝居が、淀の歴史に興味を持ってもらえるきっかけになれば」と渡辺さん。同会では、これからも地域のために貢献していきたいと考えているのだそう。

「淀みず車の会」が制作した紙芝居「街道をゆく」は、10月27日(日)に行われる「草津みなと鱧(はも)海道祭り」で上演される予定。この紙芝居を見れば、淀の歴史についてあらためて知ることができるかもしれませんね。 問い合わせは、同会・松井遠妙さん=TEL:075(631)2584=へ。

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