のどかな田園風景が広がる西京区・大原野に、この秋、約2500㎡のヒマワリ畑がお目見えします。休耕田の活用と、被災地・福島への支援を目的とした地域ぐるみの取り組みから生まれた花畑なんですよ。
ヒマワリ畑があるのは、大原野北春日町(地図参照)。9月下旬、花の色や大きさ・形もさまざまな18種類のヒマワリが花を咲かせる予定です(開花時期は気候によって前後する可能性あり)。
休耕田だった場所にヒマワリを植えようと企画したのは、大原野の農家有志団体「なんやかんや大原野」。
「大原野は美しい田園地帯が自慢ですが、最近は、農業の後継者不足で休耕田が目立っていました。これを放置すると土地が傷み、景観も損なわれます。だから田畑を花でいっぱいにして、大原野に来てくれる人を増やし、地域活性化の第一歩にしたいと思ったんです」と代表の齋藤治喜さん。
そして、地域の人たちに協力を呼びかけ、7月下旬に3100株のヒマワリの苗をみんなで植えました。これらの苗は、桂高校の生徒らが種から育てたものです。
「今回はスケジュール調整などの関係で、夏に苗を植え、秋の開花を待つことになりました。秋にヒマワリが咲くかどうか、種苗会社に問い合わせたところ『7月中に植えたら咲きますよ』と教えてもらったので、今年はこれでやってみることにしたんです。珍しい秋のヒマワリを見に来てくださいね」と、運営メンバー。
地域の人たちがヒマワリを植える様子の取材に訪れた際、畑の一角に、福島の復興支援を目的に植えられたヒマワリを発見! 花が咲き、種が採れたら「福島ひまわり里親プロジェクト」(※)の一環で福島県へ送られる予定です。
9月28日(土)午前11時〜午後2時のイベントでは、京都市立芸術大学の学生らによる「ひまわりアート」も登場します。5万4000粒の種をまいて育てたヒマワリの花を一部刈り込み、近くの高い土手から畑を見下ろすと、絵が浮かび上がるようにするのです。
取材時点では、絵の内容はまだ検討中でしたが、花が咲きそろう9月ごろには制作が始まります。秋空の下、輝くヒマワリでどんな作品ができるのでしょう?
※福島県外に住む人が、福島から外国産のヒマワリの種を買い、それを「ヒマワリの“里親”」として地元で植え、種が採れたら福島へ送る。それを福島の農地で植えて、燃料などに活用させようという取り組み。福島県のNPO法人が企画
取材した日、ヒマワリ畑の近くの田んぼのあぜ道約140mにはヒガンバナの球根が植えられました。
こちらが咲くのは2015年だそうで、大原野の田園地帯を花で彩る取り組みは、今後も行われていく予定です。
「今年の成果をふまえながら、来年にはさらに新しい挑戦もできれば。
植える花の種類を増やしたり、イベントを行うなど、畑の面積だけではなく、この取り組み自体を広げていきたいです」(齋藤さん)
大原野のこの取り組み、今後も大きな花を咲かせてくれそうですね。