夏の終わり、地蔵盆の時期ですね。私たちにとって身近なお地蔵さまですが、
それぞれの由緒やいわれを調べると、さまざまなご利益があるんです。
そんなお地蔵さまに会いに出かけてみませんか。
善想寺の山門横にある地蔵堂に祭られているのは、伝教大師最澄が彫ったといわれる地蔵菩薩。人々をピンチから救い、身代わりになってくれるという言い伝えがあります。雨が降るように祈願した農民が、ようやく雨が降ったのに腹痛になってしまい、田植えができないでいると、代わりに田植えをしてくれたり、難産の妻が無事出産するように祈っていると、お地蔵さまの顔に玉のような汗が流れていたりという話もあるそうですよ。
中京区六角通大宮西入ル
TEL:075(841)1658
午前9時~午後5時
壽延(じゅえん)寺の参道にある洗心殿の傍らには、タワシとひしゃくが置いてあります。これらは、お地蔵さまを洗うためのもの。明治時代、四大菩薩のひとつ、浄行大菩薩の石像をこの場所に安置。浄行大菩薩が水徳の菩薩だからか、参詣に訪れた人々が自分の体の悪い部分と同じ場所を水で洗い、祈願するようになったそう。このことから、「あらいぢぞう」と呼ばれるように。たくさんの人が、ゴシゴシ洗ってピカピカに光っています。
東山区大黒町通松原下ル
TEL:075(561)7855
午前6時~午後5時
上京区千本通上立売上ル
TEL:075(414)2233、午前8時~午後4時30分
※釘抜地蔵は本堂の奥に祭られています
弘法大師空海の作と伝わる「石造地蔵菩薩立像」。もともとは、苦しみを抜きさると伝わり、「苦抜(くぬき)地蔵」といわれていたそう。ところが室町時代、手の病気に苦しむ商人の夢にお地蔵さまが現れ、手に刺さっていた2本の恨みのくぎを抜いたところ、商人の手の痛みがなくなったとか。それから「釘抜地蔵」と呼ばれるようになりました。
目の病にご利益があるといわれている、仲源寺の本堂に祭られている「延命地蔵大菩薩」。鎌倉時代は、鴨川の氾濫から人々を救ったことから「雨止(あめやみ)地蔵」と呼ばれていたそう。その後、信仰心あつい老夫婦が眼病になってしまったとき、お地蔵さまがその病を自らの右目に移して、苦しみを救ったことから「目疾地蔵」と親しまれるようになったとか。お地蔵さまの右目は、赤く充血しているようにも見えるんですよ。
東山区祇園町南側585-1
TEL:075(561)1273
午前7時~午後7時30分
(朱印などの受け付けは、午前9時~午後4時)
※通常は本堂の中には入れません。毎月23日午後1時から行われる、眼病平癒の祈願(3000円)に申し込んだ人のみ入ることができます
伏見稲荷大社近く、住宅街にある小さなお堂に安置されている「ぬりこべ地蔵」。歯痛に悩む人から手紙が届いたり、歯科医が参拝に訪れることもあるという歯のご利益があるお地蔵さま。 お堂の壁が土で“塗りこめ”られていたことから転じて「ぬりこべ」となったとか、痛みを“封じこめる”からきているといった説も。参拝時には、お堂に置かれている丸い石を触ってから、歯が痛いほうのほほをさするといいのだそう。
伏見区深草薮之内町
TEL:075(641)0556(深草稲荷保勝会)
※通常、お堂の扉は閉まっているので
ぬりこべ地蔵を見ることはできません