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心もほっこり、銭湯が憩いと交流の場に

気軽に立ち寄って、おしゃべりしたり、体操や演奏会を楽しんだり━。そんな“居場所”をつくる取り組みが、山科区の銭湯「遊湯」で始まっています。「ふれあい空間・遊湯」が街の新しい社交場となっていますよ。

ここに来れば、誰かがいてくれる」

創業70年の「遊湯」。現在、山科区では最も古い銭湯なのだそう

休憩スペースを活用した「ふれあい空間・遊湯」。この日は、大正琴の演奏で“ほっこり”

将棋や囲碁などを楽しむ人も。平野さんの長男、和也さん(中央男性)が対戦相手を務めることもあるのだとか

5月にスタートした「ふれあい空間・遊湯」。銭湯2階の休憩スペースで、毎週火・金曜日に開催されています。

「京都市の“居場所づくり”事業の一環として、この場所を活用することを提案しました」。そう話すのは、「京都市日ノ岡地域包括支援センター」のセンター長・堀田晃平さん。

毎回10~20人が訪れ、しゃべったり、将棋をさしたりと和やかな時間を過ごしています。介護予防のストレッチ体操など不定期で行われるイベントも人気なのだとか。

  取材に訪れた日は、地元の大正琴同好会「芝桜」が“特別ゲスト”として登場。「ふるさと」「バラがさいた」など演奏がすすむうちに場は次第に盛り上がり、最後は全員で大合唱! 中には持参のハーモニカで、演奏に飛び入り参加する人もいるほどでした。

「ここに来ると、誰かいて、一緒におしゃべりができる。毎週、楽しみにしています」「2度目ですが、たくさんの人が来ていてビックリ。ゆっくりできて、居心地がいいですね」。思い思いにくつろいで過ごせる雰囲気が、みなさんのお気に入りのよう。

地域を盛り上げるきっかけにも

(左から)京都市日ノ岡地域包括支援センターの堀田さんと、場所を提供している「遊湯」の平野さんと孫の柚月(ゆづき)ちゃん

「銭湯は、人と人との交流が生まれる地域の社交場ともいえる存在。この取り組みを通して、古きよき銭湯の雰囲気も伝えていければ」と、遊湯を営む平野弘和さん。

平野さんは場所の提供とともに、イベントの企画や訪れた人の話し相手としても協力。「息子や孫も顔を出し、家族みんなでお手伝いしています(笑)」。アットホームな雰囲気も、居心地のよさにつながっているよう。

「銭湯は地元の人にとって身近な存在であり、大切にしていきたい地域の資産。さまざまな人が集うことで、コミュニティーや銭湯が活性化し、地域全体を盛り上げるきっかけにしていきたいですね」(堀田さん)

今後は世代間交流の場としても活用したいとのことで、若い世代にも足を運んでほしいと考えているそう。これから始まる夏休み、子どもたちが幅広い世代の人と交流する場として出かけるのもいいのでは?

「ふれあい空間・遊湯」の利用は毎週火・金曜日の午後3時30分〜6時30分ごろ。区外からの参加も可。参加無料(入浴、飲食は別途料金が必要)。

遊湯=京都市山科区西野八幡町1-6、TEL:075(593)0271。取り組みに関する問い合わせは、京都市日ノ岡地域包括支援センター=TEL:075(595)5575へ。

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