お金の使い方、ため方、増やし方…。お金にまつわるあれこれを、みんなはどうやって子どもに教えているの? 読者アンケートの結果から見えてきた、バランスの取れた金銭感覚を養うための3つのポイントを紹介します。専門家からのアドバイスも参考にしてみて。
※今回の紙面では、高校生までの子どもを対象としています
“子どもとお金”といえば、まず思い浮かぶのがお小遣い。読者の声とともに、NPO法人「京都みらい21 親子で学ぶこども経済塾」代表で、ファイナンシャルプランナーの堂坂泰紀さんにお小遣いを渡す際の考え方を聞きました。
お小遣い帳の使い方がポイント
銀行口座の通帳を見ると、利子や時間外手数料などについても学べます。その仕組みを説明してあげると、世の中のお金の流れについて、より興味を持てるようになるかもしれません
お小遣い帳には、「いつ、どこで、何を、何のために買ったのか」など具体的に記して、後から振り返ったときに、そのときのことを思い出せるようにしましょう。子どもの気持ちの変遷が見え、金銭感覚が育っているかを確認しやすくなります。 ただ、“取り締まる”というスタンスにならないように気をつけて
小さい子どもの場合は無くした物を一緒に買いに行ってみるのもいいのでは。消しゴム1つでもその金額を意識させ、お小遣い帳に「無くしたため、再び購入」と記すと、その価値をより認識できるようになる側面もあります
お金の教育は、①使う②管理する③計画を立ててためるの3ステップで進めるとスムーズです。 “使う”は100円程度からスタート。子ども自身が「100円で何が買えるのか?」と考え、お店で物を選び、支払って、おつりをもらう。こうした経験を積みながら、それをお小遣い帳に記すことを習慣化させる。それが管理の練習になります
気になるのが、「いつから? どれくらい?」ということ。アンケート結果をまとめると、多くの家庭では小学3、4年生からお小遣いを渡しているようです(左表参照)。
子どもがお金を管理する手段としては、「お小遣い帳をつける」(いちご/38歳)という回答がほとんどでした。中には、「銀行に子どもの口座を作り、手渡しではなく振り込みにしている」(Y・T/36歳)という人もいましたよ。これは、親が銀行のATMで出金する様子を見て、「何度もお金が出てくる!」と驚いていた子どもに、入金しておかないとお金が無くなると理解させるためなのだとか。
お小遣いを渡すにあたって、約束事を設けている家庭もありました。一番多かったのは「お小遣い帳をきちんとつけること」(エビフライ/42歳)。
中には、「ものを大切にしてほしいから、何か物を無くしたら、その分お小遣いからカット」(たとみ/42歳)という、ペナルティー制を取り入れているケースも。計画性を持ってほしい、物の価値を理解してほしいという親心が感じられますね。
お年玉などは貯金が多数派
月々のお小遣いのほかに、臨時収入としてあるのがお年玉など。これらの管理法としては、「将来のために貯金」(どぐんママ/44歳)という声が多かったものの、「小学生のうちは親が管理、中学生からは本人管理」(kiyopy/47歳)というように、子どもの成長とともに管理方法が変わる人も。
使い道については、「子どもと話し合って決める」(チロル/41歳)、「進学などの大きな金額が必要なときに使う」(M・T/37歳)などがありました。
小学校低学年
100円〜1500円
低学年のうちはお小遣い制度無しの家庭も多い様子。渡している家庭で最も多かったのは、学年×100円という額でした。
小学校高学年
400円〜2000円
小3・4年生からお小遣い制度を導入する家庭がちらほら。高学年でも学年×100円で金額設定しているケースが多数。
中学生
1000円〜3000円
中学生になるとお小遣いを渡している家庭がほとんど。学年×1000円で、学年ごとに金額があがることが多いよう。
高校生
3000円〜6000円
高校生になると友達付き合いもあり、金額もぐっとアップ。一方で、子ども自身がアルバイトで収入を得ることも。
お駄賃をもらえなくてもお手伝いをするのは大切です。ちょっと大変だったり、普段はあまりしないお手伝いにお駄賃をあげるのがポイント。家族の一員としての日常のお手伝いは、責任感や自尊心を育みます
◆お手伝いをしたときに、お駄賃を渡します(コモモ/54歳)
◆不要になった文具や小物などをフリーマーケットで売り、その売り上げをお小遣いにしている(ゆかりんご/40歳)