昨年12月にオープンしたフリースペース「みんなの家 山科」。気軽に訪れて、のんびり読書をしたり、お茶を飲みながらおしゃべりしたり。誰でも自由に過ごせる、地域の人たちの“居場所”として利用されています。
月曜日は「山科醍醐こどものひろば」、水曜日は「山科総合福祉会館」、金曜日は「笑顔とふれあいの家みささぎ」と、週3回、場所を変えて開催されているフリースペース「みんなの家 山科」。オープン時間中の好きなときに訪れることができ、どんな過ごし方をしてもOK。12月には9日間開かれ、延べ80人が利用しました。
「何をしてもいいですし、何もしなくてもいいんです。音楽を聞いたり、スタッフや訪れた人たちと話し込んだり、みなさん思い思いに過ごしています」と話すのは、フリースペースの事務局である山科区地域福祉推進委員会の渡邉祐巳さん。
また、参加は自由ですが、季節のイベントが行われることも。12月はクリスマス会のほか、本の「よみがたり」やえとの色紙制作などが実施されました。集まった人同士が触れ合うきっかけにもなりそうですね。
記者が取材に訪れた日は、新春ということもあって、山科にゆかりのあるスポットや行事がかるたになった「山科かるた」を利用者とスタッフで楽しみました。札を取ることはもちろん、「へぇ~、こんな場所があるんだ!」と、盛り上がっていましたよ。
このフリースペースが設けられたのは、2年前、福祉関係者や事業所、ボランティア団体、NPO法人、行政などで構成する「山科区地域福祉推進委員会」で、“孤立”の問題が話題にのぼったことがきっかけだったとか。
「高齢者、子育て中のお母さん、障がい者…。現代社会では地域の中で、いろいろな人が孤立してしまう可能性があります。これをどう解決するか。また、震災以降、地域の絆の大切さがいわれるようになりましたが、自分たちの地域で、絆をどうやってつないでいこうかと考えたとき、身近に気軽に立ち寄れる“居場所”作りが必要ではないかということになりました」(渡邉さん)
さらに、この“居場所”で、日常生活の不安や困りごとを一緒に解決していけたらとも。
「開催日には、行政関係機関や学区社会福祉協議会、民生委員さんなど、子育てや高齢者、障がい者の相談に乗る専門のスタッフが交替で来ていますから、悩みごとがあればぜひお聞かせください」
現在3カ所で開かれているフリースペース。今後は少しずつ会場を増やしていき、誰もが歩いていける場所に作りたいとのこと。「目標は全学区に作ることです!」(渡邉さん)
誰もがほっとできる、あたたかな日だまりのような“居場所”が、地域のつながりを一層強めてくれそうです。
・山科醍醐こどものひろば(こども生活支援センター)…月曜日・午前10時~午後4時
・山科総合福祉会館…水曜日・午前10時~午後4時
・笑顔とふれあいの家みささぎ…金曜日・午後1時~4時
※参加は無料。京都市立東総合支援学校で作られたお菓子と飲み物のセット(100円)あり
●問い合わせ先●
・山科区社会福祉協議会=TEL:075(593)1294
・山科区役所 福祉部 支援課=TEL:075(592)3247