秋といえば…文化祭!? 大人が楽しめるお祭りをと、昨年から始めた「わざをぎ文化祭」の準備を京都市在住の平松さん夫婦がすすめています。「思いっきり楽しんでもらいたい」とさまざまな“出し物”が用意されていますが、その中には「夫婦DE漫才」もあるんですって!
「こんにちは~。平松家です」
「今日は練習やけど、お客さんが見に来てくれてはるしなぁ」
「頑張らなあかんな」
「そうそう、今日はな、こんな話しよう思うてんねん」
─おっと! “ネタバレ”になりそうなので、このあたりでやめておきましょう。
これは、「わざをぎ文化祭」の主宰者である、平松克美さん・実季さん夫婦の漫才の稽古の様子です。本番に向けて、毎日夜寝る前に練習に励んでいるのだとか。
「大筋は決めていますが、細かいところは即興。そこは夫婦だから息が合うのか、彼女が女優だからか、なんとかなります」
そう、実は妻の実季さんはドラマやCMで活躍しているプロの女優。一方、夫の克美さんは会社員です。その2人が、なぜ、このイベントを企画したのか気になります。
「昨年のこの時期に1回目を開き今回が2回目なんですが、そもそも私がやりたいと言い出したんです」と実季さん。
「女優生活20年を迎えた機会に、これまで勉強してきたことを何か形に残したいと夫に相談したら『いいんちゃう』って(笑)。どうせなら何かおもしろいことをしたい、それなら漫才だ!ってなぜか思ってしまったんです」
そして、ふと隣を見たら…。
「あ、ここにおもしろい人がいた(笑)。で、誘ったというわけです」
これをきっかけに夫婦ユニット「わざをぎ」が誕生。年に一度、この文化祭でのみ活動します。
ちなみに“わざをぎ”とは、古い言葉で俳優のこと。そして、人を自分の技で喜ばせるという意味もあるのだとか。
当日は、この漫才以外に、克美さんの友人によるバンドやピアノ演奏、朗読、実季さんによる日舞や本領発揮(?)の演劇などが行われます。
「素人が多いので、恥かいてもいいし、力まず楽しもうと思ってます。自分らが楽しんだら、見に来てくれた人にも伝わると思いますし。ニコニコして帰ってもらえたらいいなと思っています」と克美さん。
そして実季さんには、加えてもう一つ、「社会に還元したい」という思いがあるのだそう。そのため、参加料の一部は東日本大震災の遺児育英資金などに寄付されることが決まっています。