電子部品を組み合わせて回路をつくり、音の出る楽器や光るおもちゃなどの作品を完成させる「電子工作」。京都市西京区に、この電子工作が大好きで、ほぼ毎月作品を作る会を開いている男性がいると聞き、「親子で電子工作」と名付けられたその会を訪ねました。
「いすに荷物を置いたら、部品を取りに来てね。コードの色は2色あるから、好きなほうを選んでいいよ」
そう言って、子どもたちに笑いかけるのは松井則文さん。かつて息子たちが通っていた保育施設を会場として借り、昨年11月から「親子で電子工作」を開催しています。
京都の電子部品メーカーに勤める松井さんは「電子工作は昔から好きでしたが、子どもができてからは子どもたちと、そのうち、その友達も一緒に楽しむようになって…」と会が生まれた経緯を話してくれました。
会では、小学生の子どもたちとその親が、作品づくりに挑戦します。これまでに作ったものは、LEDの万華鏡や光る人形、8つの音が出る簡易型の電子ピアノなど。一つ作るとまたやってみたくなるようで、取材に訪れた日も「ほぼ毎回来ています」というリピーター親子の姿が目立ちました。
取材時のテーマは、赤外線センサーで光る「リモコンペンダント」。松井さんが、小学5年生の長男・悠人くんとともに簡単な仕組みと作り方を説明します。松井さんの首にかかった完成品のペンダントに向けて、悠人くんが自宅から持ってきたテレビのリモコンを押すと、ペンダントが4色に光りました! リモコンから出る赤外線に反応して光る仕組みなのだとか。
そして、いざ工作がスタートすると、子どもたちは松井さんの説明を受けながら細い銅線をペンチで曲げたり、ブレッドボードと呼ばれる小さな穴の開いた板に挿し込んだり。細かい作業が続きます。
「難しい?」と小学2年生の女の子に聞くと、「ううん、面白い」と頼もしい返事が返ってきました。お父さんも手を出さずに見守っています。
そして、ピカピカ光るペンダントが完成すると、みんな満足げな顔つきに。手を動かして物を作るのって楽しそうですね、と参加者のお母さんたちに話しかけたところ、こんな言葉が返ってきました。
「それもあるけど、電子工作って、粘土や手芸とはまた違った達成感があるんですよ」 「わかる! “こんなものが自分の手で作れるんだ”って驚きがあるよね。最初は子どもの付き添いで来たけど、今では私もハマって、子どもと1つずつ作ってます(笑)」
大人も子どもも魅了する電子工作ワールドに足を踏み入れてみませんか? 松井さんブログ「松田工作の親子で電子工作」(http://matsutakousaku.blogspot.jp/)。