レイチェル・カーソンという女性を知っていますか。1900年代半ばに活躍したアメリカの海洋生物学者です。宇治市と城陽市在住の女性4人で結成されている「グループ ハンドベル」は、彼女の活動や思いを多くの人に知ってもらいたいと、10月14日(日)に音楽朗読劇「レイチェル カーソン物語」を企画しています。
記者が取材に訪れたのは、9月9日に行われた「レイチェル カーソン物語」のプレイベント「センス・オブ・ワンダー~神秘さや不思議さに目をみはる感性~」と題されたDVD上映会&交流会。レイチェル・カーソンの著書である、幼児期から自然と関わることの大切さを訴えた「センス・オブ・ワンダー」から名づけられたイベントです。
もともとレイチェル・カーソンに興味を持っていたのは「グループ ハンドベル」の掛川るり子さん。子育てをしているときに「センス・オブ・ワンダー」に出合ったとのことで、「花を見るのに、名前は知らなくて良い。子どもと一緒に“きれいだね”って感動するだけでいい、そんなことが書いてあって、私の子育てのバイブルになりました」。
そんな掛川さんに、レイチェル・カーソンをモチーフにした音楽朗読劇をしている劇団があることを同グループの福井きよこさんが話したことから、今回の2つのイベントが実現したのだそう。
この日の上映会には約25人が参加。アメリカにあるレイチェル・カーソンの別荘、落ち葉が舞う森、美しい空などの映像とともに、レイチェル・カーソンの言葉が紹介されるDVDを鑑賞しました。
その後、10人ほどが参加して交流会がスタート。「どんなものにも一つ一つ命がある。みんながそのことをあらためて感じられたらいい」「子どもたちに自然を残してあげられるだろうか?」など、たくさんの発言が聞かれました。
10月14日(日)に行われる音楽朗読劇は劇団「オーガニックシアター」によるオリジナル作品。東日本大震災で親友をなくし、生きる意欲を見失った1人の女性が、医師から「センス・オブ・ワンダー」を渡され、レイチェル・カーソンの世界に引き込まれていくというストーリーです。
「できれば若い人にも見てほしい。今日のイベントでみなさん発言してくれたように、普通の市民だって、いろんな思いを持っている。劇を見て何か感じるだけでもいいし、人と話し合うきっかけになったらいいと思います」と福井さん。