9月29日(土)、日が暮れるころ、向日神社の参道に明かりがともされます。 地元の子どもたちが絵を描いた150もの灯籠が並ぶ「絵灯路(えとうろ)」という催しが行われるのです。8月のある一日、その灯籠作りに励む子どもたちに会いに行ってきました。
向日神社の客殿を訪ねると、玄関には小さな靴がズラ~リ。中に入ると、ビニールシートを敷いた20畳ほどの広間で、たくさんの子どもたちが絵を描いています。どうやら灯籠づくりはもう始まっているよう。
絵の具やマジックを使ってのびのびしたタッチで描かれた絵は、色とりどりで、どれもきれい!
昨日家族で出かけたときに見た山と海の風景を描いていた子、月でもちつきをする2匹のウサギの絵の下に「しん友となかよくお月見」とメッセージを入れた子。親子で合作している家族。
「いい絵が描けたなぁ。お月さまも喜ばはるわ」と絵灯路実行委員長の吉川泰史さんが、みんなに声をかけます。
ところで、よく見ると、みんなの絵は白い紙袋に描かれています。これが灯籠になるのでしょうか?
「この紙袋の中に明かりを入れるんです。明かりはペットボトルに砂を入れて重しにして、そこにろうそくを立てて火をともします。これで、灯籠の出来上がり」と吉川さん。
「できるだけたくさんの子に参加してほしかったので、灯籠を一から作るのではなく、紙袋に絵を描くという簡単な方法を選んだんです」
京都市内で絵画教室を主宰している吉川さんは、昨年もセミプロ級の腕を持つ仲間とともに灯籠を作り、向日神社のお月見の日、参道に飾りました。
「このときは灯籠を40個作りました。でも、せっかくなら子どもたちが参加できるものにしたいと思い、今年はやり方を変えたんです」と、実行委員会メンバーの大林礼子さん。昨年の試みが、より多くの市民が参加できるものに進化したというわけですね。
そして、ここ向日神社では、春には「さくらまつり」、夏には「七夕コンサート」など、四季折々の市民行事が行われています。
「2006年から、毎年秋に向日神社の鎮守の森で、『篝(かがり)狂言』をしていました。これが2012年に中止になり、新たな行事を模索する中で絵灯路が生まれたんです」と吉川さん。
向日市の四季を彩る新たなこの催し。9月22日(祝・土)には第2回の灯籠づくりが行われます。あなたも参加しませんか?