「片付いていないと落ち着かない。ほこりも散らかっているのも、きらい」なので、毎朝、必ず掃除機をかけるという亥野美和さん。夫と3歳の陽葵ちゃん、2カ月の颯真くんの家族4人が暮らす3LDKは、玄関先からすっきり、ぴかぴか。感動的なまでに片付いています。
出掛けるまでに終わらせる、子どもが活動しやすいように手順を考えるなど「自分の中で決めているルール」をベースにした掃除が、家の隅々まで行き届いています。これは、キレイ好きな母親の姿を見て育った亥野さんにとって「当たり前のこと」なのだとか。
「でも、『気にしすぎかも』と悩んだことがあります。今は、子どもが小さいので、おもちゃを散らかしたり食べこぼしたりは当たり前。かなり、まぁいっかって思えるようになりました(笑)」
ただ、「やはり、お友達に『いつ来てもキレイね』と言われると、うれしいです。やっていてよかったって思います」。
掃除ロボットの「ルンバ」を2年前に購入してから、「より一層片付くようになった」という山口純子さん。
「自動で掃除をしてくれるとはいっても、物がごちゃごちゃと置かれているような床、いびつな空間や角は苦手みたい。ルンバが掃除する前に部屋を片付ける手間を省きたくて、どんどん物を置かなくなりました」
そもそも山口さんは、「掃除がきらい。でも、散らかっているのもきらい」。中でも、掃除機をかけるのが大の苦手で、コードを何度もコンセントに差し換えるのが面倒だからと、長い延長コードを使っていたほどです。その様子について、「掃除をしながらキーキーと怒っていた」と証言する娘の紗良ちゃん(10歳)。
普段は、週2回ほど、家族の留守中などにルンバを稼動。大嫌いな掃除機は、毎日ハンドクリーナーをサッと使う程度になったそうです。
「収納は永遠の課題。物を出したら、決まった場所に戻す! 出しっぱなしにしないように気をつけています」
「すぐに散らかしてしまって、夫によく叱られるんです」と苦笑いする荒木奈穂さん。
しかし、夫の健次郎さんは、叱るだけではありません。短時間でササッと片付け、掃除機を使いこなす、その掃除っぷりには、奈穂さんも脱帽。「時には、妻と子の帰省中に、ひとりで思う存分に掃除をすることもあります」と健次郎さん。
その秘密は、健次郎さんの仕事(大工)の修行時代にありました。「掃除は大工の基本。家を建てるときに、足元にゴミがいっぱいあったら、いい仕事はできないし、けつまずいたら危ない。細かく指導されるわけではありませんが、自分なりに考えてやってました。しっかり身につくまで、5〜6年かかりました」
そんな健次郎さんが自宅を掃除する技には、特殊な道具など無用。敷物や床に置いてあるものを動かす、もしくは1カ所にかため、掃除機をかけます。
「ほこりは四隅にたまるので、掃除機の隙間ノズルで吸い取ります。最後に、自分の足の裏と子どもたちの足の裏にくっついたゴミも吸い取って、おしまいです」
特に、見えないところを掃除するように心がけています。(kiyopy)
動かせるものは、動かして、掃除を隅々までする。(YH)
おもに、人目につくところをしている。(ひらきさん)
目立つところ(玄関、鏡、ガラス)は、絶対にキレイにしておく。(こまぐろ)
汚れに気づいたら、まめに掃除をする。掃除用具は、すぐ出せるところに置く。(mameこたん)
気になったらすぐにする。(M・M)
子どもが小さいので、病気にならないよう、いつもキレイにしておく。家具、おもちゃなど余計なものを置かない。(Y・I)
掃除がもっと嫌になるので、いつでもサッとふけるように、キッチンには何も置かない。(エビフライ)
読者アンケートで寄せられた掃除の悩みについて、片付けのプロ・大津たまみさんに答えてもらいました。
「片付けられない」のは、どうしたらいい?
片付けられない人は、何でも受け入れる心のやさしい人。ただ、頭の中も散らかった部屋と同じ状態になっているので、頭の中の整理が必要です。 部屋にある物を、現在使っているものは「いる」、使っていない・目的がはっきりしないのは「いらない」、8秒考えても要・不要がわからないのを「まよい」、置き場所を変えるのは「移動」と4つに分けてみてください。「まよい」の品は、箱に詰めて違う場所に半年間の期限付きでしまっておき、半年後に再度見極めましょう。
時間がかかる割に、きれいになりません。効率よく掃除するコツはありますか?
おそらく、物が多いのではないでしょうか。床に物を置いてませんか? 床は収納場所ではありません。物を少なくすると、掃除が楽になりますよ。
「片付けていないと落ち着かない」のは、良くないのですか?
片付けのゴールは、家にいる時間が心地よいものであること。毎日の生活の中で散らかっていくことはよくあります。「この状態になっていれば大丈夫」など、家族の中でルールを作っておくといいのではないでしょうか。
お話を聞いたのは
大津たまみさん
「かつて片付けられない女だった私は、片付けで人生が変わった」と、話す大津たまみさん。整理収納・家事代行・ハウスクリーニングの会社「アクションパワー」を起業。リビングカルチャー教室で「整理収納清掃(3S)コーディネーター取得講座」も開講。著書に「8秒で幸せをつかむ 片づけ力」(2010年、かんき出版)。
大津さんによると「一般的に、人は3カ月で自分がいる空間に慣れてしまいます。掃除の仕上がりに自信が持てないときは、掃除をした後いったん部屋のドアを閉めてください。そして、自分がお客さんになったつもりでドアを開けて部屋の中を見てみると、片付いていないところがよく見えます。 また、ドアの対角線上に色の濃いものや観葉植物などを置くと、そちらに視線がいくので、片付いた印象に見える効果があります。そして空間の中で使用するカラーは2色まで。3色を超えると、雑然とした印象を与えるので注意してください」。