祭りや花火大会、夏に活躍した浴衣のシーズンも終わり。きちんと手入れをしてしまっておきたいですね。そこで、浴衣をしまうときのポイントを専門家に聞きました。これで、来年も気持ちよく着ることができますよ。※記事は木綿の浴衣の場合です。衣類の取り扱い絵表示に従ってください
「浴衣の汚れの大半は、汗。木綿の浴衣なら水洗いで落ちますよ」と田中さん。洗濯槽や浴槽に水をため、洗剤を少し溶かしてから浴衣を入れ、振り洗いや押し洗いを。「洗濯機で洗うと縮んだり形崩れをするので、おすすめしません。どうしてもという場合は、きちんとたたんでネットに入れて。1~2分程度回せば十分です」。すすぎも洗濯槽や浴槽を使って洗剤を洗い流し、軽く脱水(きちんとたたんでネットに入れて洗濯機で1分)してから干します。
※襟は汗じみがつきやすい場所。気になる場合は、洗う前に洗剤をつけて軽くもんでおきましょう。食べ物の汁などの汚れがついた場合も洗剤をつけて軽くもんでみて。シミが落ちないからといって、ゴシゴシこするのはNG。その場合は無理せずにクリーニングを
形崩れを避けるため、物干し竿(ざお)に両袖を通し、広げて陰干しにするのがベストですが、高さも幅も必要。そんなに場所がないという場合は、イラスト①のようにたたみ、物干し竿に2つ折り(イラスト②)にするようにかけて干してもOKです。袖がずれる場合は洗濯ばさみでとめましょう。
半乾きの状態(完全に乾いていたらスチームアイロンを使用)で、まず後ろ身ごろをかけてから、下前、上前、袖へと移ります。それぞれ、縫い目の部分を最初にかけていきます。糸目にそってかけるのもポイントです。円をかくように回したり、斜めにアイロンを動かすと、形崩れの原因になるので注意を。
かけ終えたら、袖や裾などの角をチェック。「角を出すときは、アイロンの先を使うと便利ですよ」と田中さん。
タンスにしまうのはアイロンの熱が取れてから。
「できれば、たとう紙(着物保管用の和紙)に包んで。湿気を防ぐため、タンスの上のほうの引き出しにしまうのがおすすめです。ナイロン製の着物収納袋などは湿気がこもることがあります。防虫剤は、引き出しの手前に1個か2個置くだけでいいですよ。変色の原因になるので浴衣の上には置かないでくださいね」(田中さん)
着物用のタンスがなければ、浴衣を2つ折りか3つ折りにしてしまってもOK。腰ひもや帯など小物類も一緒にしておくと、次に着るときに便利ですね。
腰ひも
水洗いし、よじれないようにアイロンをかける
伊達(だて)じめ
素材によって水洗い不可の場合も。頻繁に洗う必要はないそうなので、時折ドライクリーニングを
浴衣用肌着
水洗いし、形崩れしないようにアイロンをかける
帯
両面に柄があるポリエステル製のものはアイロンをかけ、折り目がつかないように、少し締め付けながら、くるくると巻いてしまいましょう。織りや染めのもの、2枚の布を合わせて作られた帯は巻かずに4つに折りに
下駄
汚れを拭き取り、乾燥させてから収納
巾着
中をあけて、しばらく干してからしまう。形崩れしないように、中に紙などをいれて