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地元の人が誇れる古墳を目指して整備中! 「車塚森づくりグループ2011」が活動しています

地元の人が誇れる古墳を目指して整備中!
「車塚森づくりグループ2011」が活動しています

城陽には古墳が多く点在しています。中でも5世紀前半に造られた「久津川車塚古墳」は南山城地域で最大規模のもの。整備する人の手が足りず、いつしかタケが生い茂って近づきにくくなっていたこの古墳を復活させるため、「車塚森づくりグループ2011」が活動を始めました。

上空から見た久津川車塚古墳。写真右上が北。JR奈良線に分断されていますが、北側が後円部分(写真提供/城陽市歴史民俗資料館)

「久津川車塚古墳を、もっと地元の人に見てもらって、町のシンボルとしてみんなが誇れるものにしたいんです」と、「車塚森づくりグループ2011」の代表・福富城介さん。

昭和54年に国指定史跡に認定された「久津川車塚古墳」は墳丘の長さ180mの前方後円墳。大正時代はマツがたくさん生える美しい古墳だったそうですが、戦後、タケノコの採取や、茶畑の支柱として使うため植えられたタケが徐々にマツを侵食してしまいました。そのタケに日光を遮られたことで、本来あった樹木が枯れ始め、次第に荒地へと変貌。10年程前に市によって作られた見学ルートも、倒れたタケや木々にふさがれて見通しの利かない状態になっていったのだとか。



昔ながらの植物を生かして

そこで、2011年6月に結成されたのが、地元の文化財保護団体にいた福富さんと里山づくり事業に参加していた仲間が立ち上げた同グループ。現在、約20人が所属し、毎月第3日曜日の午前中に整備活動をしています。

記者が訪れた日は活動日ではなかったにもかかわらず、5人のメンバーが集まってくれました。朝、古墳西側の見学ルート入り口に集合するやいなや、一人一人がのこぎりを持って作業開始。樹木の成長を妨げ、増えすぎたタケを切りながら階段を上っていきます。この階段も福富さんらがタケで作ったものだそう。

途中、亜熱帯地域の植物・シュロの幼樹を発見! 「こんな木も生えるんですね」と尋ねると、「温暖化のためでしょうね。史跡に似つかわしくないでしょう」と、それを切り取る福富さん。同グループはシュロや園芸種のカイズカイブキは伐採し、昔からあったアカマツ、野生種のサクラは保存するなど、古墳を管理している城陽市教育委員会と話し合いながら、整備を進めています。



前方後円墳の姿が見渡せるように!

10mほどの階段を上りきったところで、「今、立っているのは3段になっている墳丘の2段目、つまり埴輪(はにわ)が並んでいたところです。整備をするうちに、以前はタケが茂って見えなかった後円部分まで見えるようになったんですよ」。福富さんの指さす方角を向くと、すっきりとした竹林の間に堂々とした墳丘の姿が。その規模の大きさに圧倒されてしまいました。

1年間の整備を経て、見学しやすくなった同古墳。訪れる人も少しずつ増えてきています。

「今後は、一般の人を対象にした歴史勉強会や自然観察会、撤去したタケを使った竹細工のワークショップなども開催したいですね」とのことなので、これからの活躍にも注目したいですね。

同グループでは、メンバーを募集中。活動に参加したいという人は、福富さん=TEL:0774(53)6381=へ問い合わせを。

久津川車塚古墳=城陽市平川車塚(近鉄「久津川」駅より東へ徒歩4分)、見学自由

久津川車塚古墳について学べるスポット

原寸大のレプリカの石棺
(写真提供/城陽市歴史民俗資料館)

文化パルク城陽にある「城陽市歴史民俗資料館」では、「久津川車塚古墳」から出土した円筒埴輪(はにわ)や、原寸大の石棺のレプリカが展示されています。ここで勉強してから、古墳見学に出かけると、より楽しめそうですね。

●城陽市歴史民俗資料館
(城陽市寺田今堀1 文化パルク城陽西館4階)、TEL:0774(55)7611

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