京都文教大学では今春から、大久保・広野地域を元気にしようという活動が始まっています。紙芝居や人形劇を通して、住民と一緒に地域のことを学び、伝えていこうという試み。地域のさまざまな年代の人を巻き込みながら、交流を深めていくのだそうですよ。その2つの活動の場をのぞいてきました。
宇治市在住の田中元洋さんは、大久保にある同学のサテライトキャンパスで、4月から大久保・広野地域の親子を対象とした、月1回の紙芝居イベント「ことわ」を開催しています。
「ことわ」の「こ」は「子」。「わ」には「和・輪・話」の3つの意味が。「子どもたちが、仲良く輪になって対話できる場所をつくりたい」という思いが込められています。田中さんは、4人の子どもの父親としても、子どもたちが安心して遊べる場を提供したいと考えているそう。
取材で訪れた5月の会では、紙芝居形式をとったクイズのワークショップを実施。「種まき」「田起こし」「田植え」など米づくりの工程が描かれた10枚のカードを見て、その順番を考えるというもの。紙芝居を「見る」だけではない自由な内容となっていましたよ。
毎回行う紙芝居のテーマは、その季節に合わせたもので、いつかは参加者と大久保地域オリジナルの紙芝居を作ろうという目標も抱いているとのこと。
「ことわ」は、毎月第2土曜日開催。時間は未定(1時間程度)。場所はぶんきょうサテキャン大久保(宇治市広野町西裏100 平和堂100BAN店2階)。参加費無料。申し込み不要。問い合わせはTEL:090(6058)6038(田中さん)。
同学と宇治市広野公民館の共催で新しく始まったのが、「まちの人形劇をつくろう」プロジェクト。地域にまつわる物語を題材に、オリジナル人形劇を作り、人形劇を作る人・見る人に、地域への愛着を感じてもらおうという狙いです。
5月16日には、活動の第一歩として同学で「人形劇だん 大福」の特別公演が開催されました。短い即興の話から、クスリと笑える物語まで、ユーモアあふれる人形劇が観客を魅了。途中、さまざまな人形たちに触れられる時間もあり、参加者からは「意外と重たい!」「これ作ってみたい!」という弾んだ声も。最後には、参加者が好きな人形を選び、舞台で実際に人形を動かしました。
「大福」の代表・佐和明生さんは「どんな人形劇ができるかはアイデア次第。大切なのは、完成形をつくることではなく、演じ手と見る人がどう空気を共有していくか。この活動を通して、〝発信する〟〝受け止める〟のコミュニケーションが少しずつ地域に広がれば」と語ります。
今後は6月23日(土)に、同学と同公民館の共催で大久保地域の街を歩く「まちなみ巡り」が実施されます。7月には人形劇のストーリー作成、8月は人形作りのワークショップを開催。9~11月には発表会に向け練習し、12月に人形劇の発表会を行う予定だそう。
いずれも参加費無料。申し込み・問い合わせは、同学フィールドリサーチオフィス=TEL:0774(25)2630(担当:阿藤さん)。
※これらの事業は「京都府ワークライフバランス地域推進事業」の一環として行われています