昨年、京都市内13カ所にオープンした「いきいき市民活動センター」。伏見にあるセンターは、大学との協力運営という珍しい形です。これまでの活動や、今後の予定について聞いてみました。
河原町五条のひと・まち交流館内には、市民活動やサークル活動を支援する場「市民活動総合センター」があります。「いきいき市民活動センター(通称いきセン)」は、いわばその地域版。より通いやすく、地元に密着した情報が得られるようになったわけですね。
13カ所のうち伏見と東山のセンターを管理・運営しているのは「きょうとNPOセンター」です。
伏見と東山がユニークなのは、龍谷大学が政策学部という学部単位で運営に関わっている点。「Ryu─SEI GAP」というプロジェクトで、こうした形で大学が公共施設を運営するのは日本初の試みなのだとか。
「Ryu─SEI GAP」は、3月に行われたセンター利用者同士の交流をはかるイベント「第1回伏見いきセンフェスタ」で「いきセン野菜市」を実施。「東部農業振興センター」と協力して地野菜を販売。現在もいくつかのチームに分かれて活動中なので、これからの展開に注目です。
「もともとここはコミュニティセンターだったのですが、いきセンになったのを機に、間口を広げようと活動しています。地元の方はもちろん、近隣の宇治市や城陽市、久御山町などに住む、さまざまな年代の人が利用できる“大きな公民館”と考えていただければ」とセンター長の田邊尊史さん。そんな思いのもと、前述の「いきセンフェスタ」ほか5つの事業が行われています。
「伏見に住んでいたり、通勤・通学をしていても、特に伏見に思い入れのない人もいますね。そんな人たちにも、もっと伏見を知って愛してもらおうと開催したのが『まちのお宝地図ツアー』です」(田邊さん)
これは、近鉄「伏見」駅周辺の明治・大正・昭和・平成の4時代の地図を見比べ、気になる場所を探し、実際に街歩きをする連続講座。
「専門家の話を聞くのもいいけれど、自分で知りたい、行ってみようと思ってもらえるような形にしたくて」と田邊さん。
参加者からは、「今あの大きなスーパーがあるところは昔は工場やったんやね」「こんなところに大仏さんが!」などの声が。地図をじっくり見比べて初めてわかったことも多かったようです。
実際にそれらのポイントを訪れて写真を撮ったり、地域の商店の主人に話を聞いたり。古くからこの地に住む高齢者に話を聞けたことも収穫だったそう。
ほかに子どもたちが大いに盛り上がったのは「みんな集まれ!! 子どもらくがきマン!」というイベント。
「全世界子どものラクガキ保存会」のラクガキマンこと胡内義和さんから指導を受け、子どもたちが存分にラクガキできる場を、龍谷大学の学生が企画運営しました。センターの部屋の中いっぱいに白い紙を張るなどの下準備をしたり、「学生ラクガキマン」として活躍したりも。
次回は6月3日(日)に同様のラクガキイベントを実施予定です(時間未定)。
田邊さんは「今後は、市民活動がより活発になるようなセミナーや、市民がおすすめする伏見の魅力を集めた『伏見おすすめ100選』を企画しています。伏見住民が地域に誇りを持ち、伏見に関わりのある人には第2の故郷と思ってもらえるような仕掛けをどんどん作っていきたいです」と抱負を語ってくれました。
問い合わせは同センター=TEL:075(646)4274。