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“4つの知恵”を持ち寄って、初めての町づくり
「西陣町おこしの会」が結成されました!

今年2月、上京区の「成逸学区」「西陣学区」「桃薗学区」「聚楽学区」が一つになって町おこしの活動をする「西陣町おこしの会」が結成されました。4つの学区がまとまって活動をするのは、実は西陣では初めてのこと。さて、その取り組みとは?

西陣町おこしの会の皆さん。「オープンな町づくりを目指しているので、会への参加は学区外の人でも大歓迎です」(会長の吉川哲雄さん・写真前列左)

マルシェでコミュニティーを復活

第1回のマルシェは西陣学区で。桜が咲く中、朝早くから多くの人が訪れていました。テーブルとベンチも設置され、子ども連れでもゆっくり過ごせると好評でした

「誰でもおいしいものを買うのは好きでしょ」と話すのは、会のメンバーで桃薗学区の細尾真生(まさお)さん(59歳)。

取材に訪ねたのは、同会の1回目の取り組み「西陣の朝市〜マルシェ〜」の会場、西陣児童公園です。京都産の朝採り野菜のほか、京都ポークなどの京都府産品や鯖街道の商品、小浜市の海産物といった、地場産品のブースが並んでいました。

そもそも、このマルシェを企画した目的とは何だったのでしょう。

「京都には、かつて多くの“市”(いち)が立っていました。その歴史を踏まえて、西陣にも市(マルシェ)を立てて、多くの人にきてもらえる場所に育てようと考えたんです」(細尾さん)

その背景には、西陣が高齢の一人暮らし世帯が多いエリアだということもあるのだそう。

「そういった人は出歩くことが減り、人と交流する機会が減っています。今日のこのマルシェでも『久しぶりやねぇ』と古くから暮らす人同士が話している姿を見かけますが、そういった光景を見るとやって良かったなあと思います」(細尾さん)

記者が会場で出会った、西陣で織物業界に携わってきた髙橋孝三さん(78歳)は「西陣はものをつくっている人の町。右へならえという人はあんまりおらんから、新しいことを考える面白い人がいっぱいおります。だから、こういうこともできるんでっしゃろな」と感想を語ってくれました。

無電柱化、商店街・跡地 利用の方法も模索中

売り手と買い手が気軽に会話を楽しめるのもマルシェの醍醐味(だいごみ)

この地域は3つの課題を抱えています。1つは江戸時代に西陣織機業で一日に千両の商いがあったといわれる「千両が辻の無電柱化」(桃薗学区)、2つ目はシャッター街になりつつある「堀川商店街の再開発」(聚楽学区)、3つ目は上京区総合庁舎の仮庁舎として利用される「元西陣小学校の跡地について」(西陣学区)です。

1学区でこれらの課題に取り組むには限界がありますが、4学区が共同すれば5000世帯、多くの知恵が集まることに。将来を見据えた町おこしも、会では大切に考えています。

会長の吉川哲雄さん(74歳)は「まずはマルシェをきっかけに、人と人のつながりを地道に育みたい。参加者や協力してくれる人を幅広く求めています!」とのことです。

会では2カ月に1回、4つの学区のいずれかでマルシェを開催予定。次回は6月に桜井公園(智恵光院通今出川上ル)で。問い合わせは各学区の世話人へ。
小森さん(成逸学区)=TEL:090(8387)3772
藤林さん(西陣学区)=TEL:090(1449)1908
細尾さん(桃薗学区)=TEL:090(2111)6584
原田さん(聚楽学区)=TEL:075(441)0456

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