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お風呂のパワー

せっかく入るなら、トコトン活用したい
お風呂のパワー

寒さ厳しいこの時季、冷え切って帰宅した日にお風呂につかると、体の芯がとろけるような心地よさがありますね。お風呂には、体を温めるほかにもうれしいパワーがいっぱい。賢く活用するためのポイントを、専門家に教わりました。



安全な入浴のために

今西さんによると、お風呂の効果は、主に以下の3つがあるのだそう。
●温熱効果
お湯で体が温まることにより血流が良くなり、体内の老廃物や疲労物質が除去されます。内臓の働きも良くなるので、自律神経がコントロールされ、利尿作用が働きます。
●水圧効果
湯船で湯につかったときには、ウエストが3~6cmも細くなるほどの水圧を受けます。その水圧で下半身にたまった血液が押し戻され、心臓の働きが活発になり、血液の循環が促進されます。横隔膜が押し上げられて肺の容量が減り、呼吸の回数が増えるため心肺機能も高まります。
●浮力効果
湯船につかっている間は、浮力が働くため体重が約9分の1程度になります。ふだん体重を支えている筋肉や関節の負担が軽くなり、脳への刺激が減ってリラクセーション状態に。

ポイントは“ぬるめのお湯にゆっくり”
「日本人は熱いお風呂が好きな人が多いのですが、42度の熱いお湯に3分つかるよりも、39度のぬるめのお湯に15分つかるほうが保温時間が長いことが実験で明らかになっています。 ぬるめのお湯につかると副交感神経が優位になるので、リラックス効果もより高くなります。 水位は胸くらいにして、寒いようなら、肩などお湯から出ている部分には“かけ湯”をしながら入りましょう」(今西さん)

1 温熱効果…●疲労回復 ●内臓の働きを助ける

2 水圧効果…●血行促進 ●心肺機能の向上

3 浮力効果…●リラクセーション





安全な入浴のために

「いろいろ効果があるということは、副作用もあるということです」と今西さん。以下にポイントをまとめました。


●更衣室と浴室は暖かくする
特に真冬は、急激な温度差で血圧や脈拍が激しく変化し、脳卒中や心臓発作の危険性が高まるので、更衣室や浴室を暖かくしておくことが大事です。 浴室暖房機があれば理想的ですが、なければ入る前にシャワーを出しっぱなしにしておいたり、体の弱い人はほかの家族が入った後に入浴しても良いでしょう。
●入浴前後に水分補給する
お風呂は湿度が100%近くあり、汗をかいても体温が下がらないため、どんどん汗をかきます。お風呂上がりは血液がドロドロになり、血栓ができやすい状態。コップ1杯ほどで良いので、入浴前後に水分を補給しましょう。
●42度以上のお湯には入らない
日本人は熱いお風呂が好きな人が多いのですが、高温浴は血小板を活性化させるので、血栓ができやすくなります。
●水位は胸まで
日本の昔ながらの浴槽は深いタイプが多いので、肩までつかってしまいがちですが、水圧によって心臓に負担がかかります。
●飲酒後は入浴しない
アルコールは脱水作用があるので、飲酒後に入浴すると脱水症状を起こす危険性があります。
「若いから大丈夫」と思うかもしれませんが、若い人も入浴中の死亡事故はあり、原因は飲酒などによる溺水が多いです。温泉でお湯につかりながら一杯…などはありがちなシチュエーションですが、非常に危険です。
お酒を飲む前に入るのがベストですが、飲んだ後入るなら、酔いがさめるまで時間を置いたり、入浴時間を短めにしましょう。

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