地下鉄四条駅のホームの階段に、1段ごとに消費カロリーが記されているのを知っていますか? この発案者は、上谷真治さん(37歳)と中島健太郎さん(27歳)。
「若い人がお年寄りを気にもせず、地下鉄を降りると走ってエレベーターに乗り込む姿を見ていて、なんとかこの人たちを階段に誘導できないか、ずっと考えていました」と、上谷さん。「健康志向のいま、階段を使えば、通勤・通学の間でも体にいいことができることを、目に見える形で表せれば、と思って」とは、中島さん。
ふたりとも、地下鉄の利用者増員を目的とした京都市の「若手職員増客チーム」のメンバーで、「燃え燃えプロジェクト」(※)に携わっています。カロリー表示の仕掛けもふたりが所属する2班で取り組みました。
「階段のメッセージも、メンバーだけで考え、実際貼りつけたのも自分たち。すべて手作りなんです」(中島さん)と驚きの事実が発覚。階段を上りながらつい読んでしまうのは、“手作りのあたたかさ”があるからかも。
「啓発するだけでは、なかなか人は動いてくれません。動きたくなる方法は何か、を考えました」と上谷さん。いまもチームで、次の一手を考えているのだとか。
※燃え燃えプロジェクト=7人の若手職員で構成する2班(燃え燃えチャレンジ班)が、熱い情熱と柔軟な発想で、地下鉄・市バスの集客増に向けた取り組みを交通局とともに続々と展開していくプロジェクト
10月1日、京都市中央卸売市場第一市場(愛称・京朱雀市場)は、多くの一般客でにぎわっていました。午前10時からの市民感謝デーと名づけられたこのイベント「食彩市」は、通常は鮮魚店などが買いに来る卸のお店がズラリ。天然マグロのかたまりが1000円だったり、旬の秋刀魚が50円だったり。「味は保証するで!」という威勢のいい声に「ほな、ひとつちょうだい」という元気な女性客。
これは、今年4月から始まっている同市場の企画で、毎月第一土曜は一般市民に市場を開放する(7月・8月・9月は休み)というもの。
発案者の代表として話を聞かせてくれたのは、同市場活性化検討委員会の水産小委員会の委員長・勝村一夫さん。
「京都にはこんなにおいしくて、安全・安心な魚が入ってきているんだということを、みなさんにわかってほしいんです。卸が小売をするなんて、という声もありましたが、これは、魚のファン全体を増やすための仕掛け。いろいろな問題はありますが、これからももっとおもしろいことを企画していきたい」と。
当日配布されるパンフレットに、同市場から食材を仕入れている小売店がズラリ掲載されているのも、工夫のひとつ。「イベントは月1回。あの時買ったあの魚が食べたいな、と思ったらこのパンフレットにのっている店に行って『あの魚、仕入れといて』なんてリクエストしてください」