1975年のオープン以来、人気観光スポットとして多くの人が訪れている「東映太秦映画村」。この秋、14年ぶりとなる大改装を経て、ますます見どころが増えました。そんな“新・映画村”を、記者がさっそく探検してきましたよ!
今回のリニューアル、実は現地に行く前から「オッ、変わったな~」と感じられるんです。それが、JR「太秦」駅からのアクセス。正面入り口とは別に撮影所口というゲートが新たに設けられたことで、これまで徒歩で約13分かかっていたところが約5分に短縮されたんです。
こうして向かった映画村の新ゲートをくぐると、そこは「映画村シネマロード」。撮影に使う道具類がズラリと並び、撮影所のムードが漂います。「この道具、時代劇で見たことある!」。興奮しながらも、その精巧な造りには驚くばかり。こうした小道具・大道具類も撮影所内の工房で製作されているのだとか。
新たに「浮世絵美術館」「からくり忍者屋敷」「東映アニメミュージアム」の3施設がお目見えしたということで、まず足を運んだのは「浮世絵美術館」。
ここには、江戸文化を彩った北斎・歌麿・広重・写楽の浮世絵・約80点が展示されています。これらは全て専門の職人が本物の絵を写して一から彫りあげ、当時とほぼ同じ手法・顔料を用いて再現したもの。一枚一枚にコピーや印刷にはない重みが感じられます。
その後、村内を歩いていると、ラッキーなことに時代劇の撮影に遭遇。遠くからでもひしひしと伝わってくる現場の緊張感、俳優たちのオーラ。これも映画村ならではの醍醐味です。
次に向かった「からくり忍者屋敷」は、参加者が忍者の気分で、屋敷のからくりを見破りながら迷路を進むという体験型アトラクション。「隠し階段」に「低天井」など、忍者の先生(!)のからくり指南を受けた後、自分だけでスタートします。
「押しても引いても開かない扉。ならどうすればいいの?」「こんなところに抜け道が!?」と、想像を超える巧妙な仕掛けに、記者はドッキドキ。
少しずつ進んでいくものの、ついには「どうしても出口が見つからない、もうダメ」と行き詰まってしまいました。そんな記者の前に現れたのが、“お助け忍者”。誘導されて、出口にたどり着いたときは、うれしいやら情けないやら複雑な気持ちになってしまいました。
屋敷のそばには鉄の手裏剣を使って投げ方を教わる「手裏剣(しゅりけん)道場」もあり、こわごわトライした記者は的どころか、その周りの壁に当てるのがやっと。「忍者修業の道のりはまだまだ遠し」と痛感しました。トホホ…。
「今、ここ太秦では“映画のまち”としての地域開発計画『京都太秦メディアパーク構想』が進められているんです」と話すのは、同村の企画制作部・坂本美千穂さん。「周辺の駅や道路の整備のほか、大学や企業にも協力いただいて映画産業を集積する仕組みをつくり、太秦から情報発信できるような魅力的な街づくりが着々と進んでいるんですよ」(坂本さん)
来春には、俳優が演じるお化け屋敷(有料)もリニューアル予定。“日本のハリウッド・太秦”の中心地として、日本のカルチャーシーンを盛り上げてくれそうですね。
●右京区太秦東蜂岡町10(JR「太秦」駅、嵐電「帷子ノ辻」駅より徒歩5分)、TEL:0570(064)349(ナビダイヤル)。営業時間/午前9時~午後5時(シーズンにより変更あり)、無休(年末年始は確認を)。入村料/大人2200円、中高生1300円、4歳以上1100円 ※からくり忍者屋敷は別途入場料が必要(中学生以上500円、4歳~小学生400円)