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江戸時代の流行ふたたび!?

城陽で江戸時代から踊られているという「おかげ踊り」を知っていますか。かつて大流行したこの踊りを後世に伝えたいと、5月に「おかげ踊りを広める会」が発足しました。寺田の水度神社に踊りの奉納も予定していると聞き、定例講習会を訪ねてみましたよ。

「ええじゃないか ええじゃないか えじゃないか♪」おはやしを聴いているだけで楽しい気分に。踊ればさぞ…

全国でも珍しいおかげ踊りの絵馬も

水度神社のおかげ踊り図絵馬(長谷川山雪筆)。100人以上の老若男女が円になって踊っています。「10月23日に、円になれないほど大勢の方が来られたらですか!? そうなったらうれしいですね(笑)」(宮司の水田清比古さん)

会場の寺田コミセンの和室では20人余りの男女がおはやしに合わせて踊っています。盆踊りに似ていますが「扇子を持って、それと本来は頭かぶりをしてね」というのは同会会長の工藤香代子さん。

城陽市歴史民俗資料館館長の吉川雅智さんによると、伊勢神宮の遷宮の翌年にお参りするとおかげ(御利益)がいただけるといわれ、江戸時代におかげ参りが大流行したそう。「おかげ踊りはお伊勢参りのときに披露された民衆の踊り。全国でブームとなりましたが、地域ごとにおはやしも違えば振りも違う。時代によっても変化があり、幕末には有名な“ええじゃないか”のおはやしになりました」(工藤さん)

「城陽では文政13(1830)年に長池からおかげ踊りがはやりだし、寺田では7町それぞれで踊られた、ということが当時の水度神社の神主、中嶋白檮(しらかし)の日記に出てきます。水度神社の絵馬にも描かれています」と吉川さん。その絵馬は1830年に寺田村北東町の人たちが水度神社におかげ踊りを奉納した様子を描いたもの。同時代のおかげ踊りの絵馬は全国でも9枚しか残っていないと聞くと、ちょっと自慢したくなりますね。

しかし、現在のおかげ踊りはというと、城陽では乾城(いぬいじょう)おかげ踊り保存会によって継承されるのみ。その踊りを全市で守っていこうと発足したのが「広める会」というわけです。乾城おかげ踊り保存会代表の西村妙子さんも、「踊り手の高齢化が進み、消えかけていたので、広める会で守っていきましょうと声をかけていただいてありがたい」と、ほっとしたように話してくれました。

あなたも一緒に踊ってみる?

「来年は笛、太鼓など鳴り物の継承にも力を入れたい。宇治田原、和束など南山城一帯のおかげ踊りが全部見られる催しもしたいです」と、おかげ踊りを広める会会長の工藤さん(前列右から3人目)とメンバーのみなさん

練習メニューには、平成版おかげ踊りも。「扇子なしでも気軽に踊れるように」と日本舞踊師範の藤間実香栄さんが振り付けをしました。「世の中みなさんのおかげです、お伊勢さんのおかげです、と手を掲げるようにして踊るのが特徴です」

参加者は、「観光案内ボランティアをしていておかげ踊りのことを知りました。簡単で楽しく踊れますよ」(川村忠男さん)。「和太鼓をしている保育園の子どもたちにもこのおはやしを聞かせたい。吸収が早い子どもたちに踊りも教え、楽しみたい」(清心保育園園長の増田早苗さん)と感想を口々に。

10月23日(日)の午後には、水度神社でのおかげ踊り奉納も予定されているので、踊りの輪に加わってみては? ※参加自由。雨天中止

次回の講習会は9月17日(土)午前10時30分~正午。寺田コミセン(近鉄「寺田」駅から南へ450メートルの文化パルク城陽3階)。参加自由。会員になる場合は年会費500円。10月29日(土)にも国民文化祭の催しに合わせて文化パルク城陽の水上ステージでおかげ踊りを披露します。また、城陽市歴史民俗資料館では、10月15日(土)から「お伊勢さんへの道─おかげ参りとおかげ踊り─」という展示を開催。

問い合わせは同会事務局(城陽市歴史民俗資料館内) TEL:0774(55)7611へ。

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