京都市で少子高齢化が最も進んでいる東山区。同区の地域活動を行う施設では、地元の高齢者と赤ちゃん、そのお母さんが月1回交流を持っています。さて、その様子とは…?
「こんにちはー」「今月もおじゃまします」「あら、かわいいね。いま何カ月?」
ここは東山区社会福祉協議会が運営する「やすらぎ・ふれあい館」(六原学区)。毎週金曜日に同館の隣同士の部屋で活動している、育児サークル「ひなたぼっこ」のメンバーと、地元の高齢者による集まり「わいわいサロン」のメンバーが、15分間の交流タイムを楽しんでいます。
そこかしこに笑い声があふれているせいか、さっきまでぐずっていた赤ちゃんも、いつの間にか泣きやんでいます。
「親元から離れて暮らしているので、上の世代の人と話せるのはいい機会。この前は“子どもが大きくなったら、玄関でクツをそろえることを教えてあげてね”と声をかけてもらいました」と、「ひなたぼっこ」のメンバーの秦友美さん。
そんなママたちと同様、いや、それ以上に(!?)交流を楽しんでいるのが「わいわいサロン」の人たちです。赤ちゃんを見つめるみなさんの笑顔は、もうとろけそう!
「赤ちゃんってすごいね。顔を見て、ほっぺたに触れるだけで、幸せな気持ちになるからね。みんな、この“デート”の時間をとても楽しみにしているんです」と「わいわいサロン」代表の平沢鐵三(てつぞう)さん。
高齢者も新米ママも孤立はNO
ところで、東山区の人口における65歳以上の高齢者が占める割合は、京都市で一番だそう。少子高齢化が進んでいるんですね。
「この割合の高さは、全国的に見てもトップクラスで、日本の15年後の姿を先取りしているともいわれているんですよ。一人暮らしをされている高齢者の方も多いですね」と、東山区社会福祉協議会の中野大作さん。
同団体では「わいわいサロン」のように、高齢者が交流できる場をつくることと、この区では超少数派ともいえる新米ママたちが孤立しないようにサポートすることを大切にしています。
「4月に両者の交流を提案しました。『わいわいサロン』の人たちが『ひなたぼっこ』の赤ちゃんと仲よくしたそうだったので(笑)」と中野さん。
「東山区では、小さな子どものいる人が周りに少ないので、ママ同士が会える場所はとても貴重。そして、新たに高齢者の方々との交流も加わりました。子どもたちの顔を見て喜んでくださっているのをうれしく思います」と「ひなたぼっこ」代表の荒木真紀さん。
東山区らしい、新しいつながりが生まれています。